黙然日記(廃墟)

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産経抄、シッポが生えてくる。他。

産経抄】6月1日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/397878/

 あいもかわらずNHKドラマで頭がいっぱいのテレビっ子産経抄です。(大昔のテレビCMで「♪テ〜レビばっかり見ていると い〜まにシッポが生えてくる」というのがあったのですよ。なんのCMだったか忘れましたが)。
 子供手当の話題ですが、どんな政策でも歓迎一色ということはあり得ません。ただ、事務の手間は以前から指摘されていましたし、所得制限がないのはまさにその事務の手間を省くため、その方がトータルでコストが低くなるという判断からです。子供手当は何十年と続いてきた児童手当の延長ですから、事務の手間が極端に増えたわけではないだろうと思うのですが。給食費未納の親に対して、モンスターペアレントだなんだと産経は大騒ぎしていましたが、「児童手当を差し押さえろ」という単純な指摘すらしてきませんでしたよね。なんで子供手当になってから、急にそんなことを言い出すのでしょう。
 「シッポが生えてくる」というのは子供に対する脅しですが、脅しによって悪い習慣をやめさせるのもそれなりに合理性があります。「雷様におへそを取られる」(夕立のときは急に冷え込むので、おへそを出したままだとお腹をこわしたりします)とか、「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる」とか、昔の人が考えた子育ての知恵というのはなかなかたいしたものだと思います。さて、産経抄子に効き目があるのは、「シッポが生えてくる」と「舌を抜かれる」、どちらの脅しでしょうか。

【主張】社民連立離脱 基本政策「抜き」のツケだ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100531/plc1005310302002-n1.htm

 こちらは31日付「主張」。昨秋の下野なう以後、失望のずんどこにあった産経ですが、いまや我が世の春を謳歌したい気分であるかのようです。しかしこの有利な状況を、うまく論説に結びつけることができていないようですね。
 今回の騒動は、民主党側の基本政策に関するブレに対し、社民党が筋を通したというかたちのものです。最初の段階で三党の政策すりあわせが足りなかったことは事実でしょうが、「最初からこの方向で合意を取るべきであり、社民党と連立すべきではなかった」とするのが産経の立場のはずなのに、嬉しさのあまりそうした指摘すらできなくなっているのは、見ていて気の毒なぐらいです。また、基地問題以外では両党は(もともと)政策がほぼ一致していますから、下野したとはいえ社民党が是々非々の立場で向かうことは、共産党がそうしているのと同じく、当たり前のことなのに、そうしたあたりまえの政局さえ理解できていないのは、これはもう気の毒を通り越して大笑いすべきところでしょうね。