黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」、見出しさえ混乱。他。

産経抄】5月29日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100529/plc1005290303007-n1.htm

 なんか最近は、安倍晋三元首相の名前が出てくるだけで苦笑してしまって困ります。周囲で聞こえる声をそのまま口移しに発言する癖は、5歳のころから50年経って少しは直っているのでしょうか。47年経ったころはまだ直っていなかったようでしたが。
 当時の首相経験者の孫から首相になったということで、鳩山由紀夫首相との対比になるのはわかるところですし、いくら言っても言い足りない気分もわかります。ただ、首相が「海兵隊の必要性を理解していなかった」ことを、「安保体制そのものを理解していなかった」と結びつけるのは、これは短絡というものでしょう。なんでもいいのですが、たとえば沖縄返還のとき、「核兵器を配備しなければ抑止力にならない」という意見に対して「それは必要ない」という意見もあり、結局は核抜きでも在日米軍の抑止力は機能しているわけです。海兵隊の存在がどこまでキーなのか、他の戦力で代替はできないのかについては、「それを理解していないのは無知だ」と言われればそのとおりかもしれませんが、少なくとも衆目が一致するような問題ではないでしょう。

迷走と失政の責任…国益損なう首相は退陣を  - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/396837/

 29日付「主張」は、MSN産経ニュースでは*1【主張】普天間日米合意 国益損なう首相は退陣を 逃れられぬ迷走と失政の責任」となっているのですが、どちらの見出しが正しいのでしょうか。
 「産経抄」の方でも尖閣諸島に関する首相発言に噛みついていますが、少なくとも引用されている部分を読むかぎり、領有権を否定するような内容ではないですよね。中国側も領有権を主張してる以上、話し合いをするか、このまま永遠に無言の対立を続けるか、武力衝突するか、三つに一つしかありません。ここで話し合いを選択することに、いったいなんの問題があるのでしょうか。また、米国が二国間の問題として生還していることについて、首相を攻める意味もわかりません。
 前回のエントリで、社民党の連立離脱を産経が望んでいることについて考察しましたが、いざそれが現実的になると「遅すぎる」とか言ってます。そんなになんでもあんたの思うようにはならないっての。福島瑞穂大臣の罷免はおそらくコラムの締め切りぎりぎりに入ってきたニュースなので、今日は軽く触れるだけで明日じっくりやるのかもしれませんが。

産経、アンケートを報じる。

「満額支給に賛成」25% 勝間氏ら、子ども手当調査 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100529/edc1005291750001-n1.htm

 こりゃたいへんだ。あの勝間和代氏が関わる子育て支援団体のネット調査で、こんな結果が出てしまったそうです。やはり鳩山政権の政策はすべて間違っており、いくら社民党が離脱してもバラマキ政策で財政破綻が避けられないことに国民の多くが不安に思っているのです。
 ところで、この記事には詳細な質問項目と解答結果が出ていないので、調査を行ったにっぽん子育て応援団 http://nippon-kosodate.jp/ のサイトで確認してみましょう。もしかして、質問項目にほんのわずかな偏りがあって、こんな結果に誘導されたのかもしれませんから、検証してみる必要があります。

緊急アンケート 〜どうする?! 子ども・子育て支援〜 byにっぽん子育て応援団/結果
http://www.dounano.net/result/Fblwj1500.html
質問 1
子ども手当についてポイント整理http://kosodateouendan.sblo.jp/article/37949223.htmlを読んでから回答してください 〔以下略〕

 ……質問項目の偏りを検証しようと思ったのですが、冒頭の注意書きを見た瞬間に、その必要はないと判断できてしまいました。
 元のアンケート自体がこういう代物なのですが、産経の記事はもっとひどいのです。問題の「質問1」は、子供手当満額支給と保育所待機児童解消などのサービス向上のどちらがよいかを二者択一するもので、その結果が24.6%対75.4%です。満額給付をするかしないかで25%というわけではありません。待機児童解消も現政権のマニフェストに含まれており、両方の実現が本来なら期待されるところですが、なぜいきなり二者択一の設問なのかという疑問もあります。それ以上に、片方だけの結果のようにミスリードするのは、なんのつもりでしょうか。なお、待機児童解消は小泉内閣時代からの公約であり、その後6年間の自公政権で実現されなかったものです。