黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経抄がbigoted。他。

産経抄】5月7日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/388046/

 昨日のコラムなので内容が古いのはしかたありません。英総選挙は単純小選挙区制にもかかわらず二大政党制が崩れ、各種の連立が模索されているようです。日本でも「二大政党制を、そのためには小選挙区制を」というのが1990年代政治の合い言葉になり、その結果が出るまで14年ほどかかったわけですが、なんのための「二大政党制」だったかといえば、「政権交代を容易にするため」だったわけです。小選挙区制と二大政党制はほぼイコールですが、二大政党制と政権交代はイコールではありません。強力な一党支配(=自民党支配)が続くよりは目的にかなう、というだけです。2ヶ月後、ユーラシア大陸のこんどは東端の島で、どんな政局模様が描かれるのでしょうか。
 それはそれとして、選挙戦の中で、ブラウン首相が労働党支持者(の中の排外主義者)に対して「bigoted」という表現でつぶやいたことが問題になった、という内容です。産経抄は「偏屈」という訳語で紹介していますが、辞書を引くと「宗教・政治的な偏見を持つ」といったニュアンスで説明されていますから、この場合日本語に意訳するなら「クソウヨめ!」といったところでしょうか。首相の発言としては問題がありますが、その排外主義者に対する評価としては正当じゃないでしょうかね。
 で、その先では英労働党政権の移民政策が甘すぎるという批判、そして日本の民主党政権の在日外国人政策も、と匂わせる内容なのですが、ここはやはり表題のようなことを言わねばなりますまい。ニュアンスはもちろん、上述の意訳と同じです。

産経抄】 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/388451/

 こちらは8日付。産経のコラムがまさか、日本共産党と密接な関係にあった時期の雑誌「新日本文学」を引用してくるとは思いませんでした。奄美諸島や沖縄の返還に関しては、左翼が領土回復を求め右翼が米軍占領を容認するという一種のねじれた状態にあったのですが、考えてみるとこれは今でも変わらないような気がします。
 それにしても、鳩山政権を一方的に批判するばかりで、徳之島の地元に対して「日米同盟堅持のために米軍基地受け入れを」とは言わないんですね。

【鳩山政権考】「新党」が政界再編促すか 花岡信昭 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/387636/
 参院選参院過半数121議席を争う選挙だが、民主と自民でほぼ100議席、残りを公明、共産、社民、国民新党などが獲得する構図と見れば分かりやすい。

 6日付なんですが、SANKEI EXPRESSは休刊日じゃなかったのかしらん。大学院教授2年目なのにあいかわらず雑文ライター並みの仕事をしている花岡信昭氏です。
 引用した部分は、「分かりやすい」どころか、なにを言っているかさっぱりです。参院選は全体で242議席の半数以上を獲得するための争いであることと、改選数が121議席であり、その121議席のうち100議席民主党自民党が分け合い、残り21議席を他党が取り合うかたちになることを、花岡氏は混同しているとしか思えません。
 あとはだいたい常識的な、議員・選挙板の常連(工作員除く)なら誰でも書けるような内容ばかりで、特に面白くはありません。どうせなら、「参院選後にねじれ国会になっても政局は鳩山ペース」ぐらいのことを言ってみせてほしいのですが。花岡氏ならできるはずです。