黙然日記(廃墟)

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産経コラム、主権回復を目指すかい?

主権意識の欠如が国を解体する - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/385162/

 4月28日「正論」は、小堀桂一郎氏です。「当日まで忘れている年1回のお楽しみ」という意味で、サプライズパーティーのようなものですが、こちらも年をとってくると誕生日とかだんだんどーでもよくなってくるのと同じで、小堀「正論」もどーでもいいですね。どーでもよすぎて1日遅れてしまいましたが。
 サンフランシスコ平和条約調印の日はたしかに日本国が主権を回復した記念日であり、本来なら憲法記念日と並んでその趣旨に大いに賛同するところです。しかし最近は「主権回復」と聞くと「主権回復を目指す会」を連想してしまい、たいへんイメージが悪くなっております。徳島教組がんばれとか、他にもいろいろ動きがあるようですが、政治運動が暴力団体と手を組むことになんのメリットもありません。
 小堀氏に言わせると、民社国連立政権は日本を占領期に引き戻そうとする「反動思想の持ち主」なのだそうですが、なんでそうなるのかさっぱりわかりません。むしろ現政権を糾弾している産経新聞側の方が、米国による占領を望んでいるんじゃないかと思うのですが。占領期に撒かれた「毒」によって、(小堀氏は明確に述べていませんが)いわゆるサヨクが利権を漁り、選択的夫婦別姓制度や外国人地方参政権を導入しようとしているのだそうです。いや、別に利権とかねぇし。「権利」の獲得にはなりますが、そこまで否定されてしまうともはや、民主主義そのものの否定かと思えてしまいます。そうしたサヨク的主張を続けることが利権であり飯の種だというなら、実現してしまえば利権は消滅するのですから、なにをやっているのかわからない、ということになります。ところで小堀氏一派は、本当に「主権回復記念日」を実現させる気はあるのでしょうか。

【40×40】潮匡人 守るべき記念日、廃止すべき祝日 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100429/plc1004290809010-n1.htm

 続いて29日付【40×40】でも、潮氏が小堀氏らの運動に賛同しています。4月28日を主権回復記念日にして29日の昭和の日と連休にせよ、というのはわかりますが、例の非常に評判が悪いGW分散の政府案に便乗して、連休後半の5月分だけ解体しろと、誰が得するんだみたいなことを言っています。要は、憲法記念日ひいては現行憲法を否定したいだけらしく、これは小堀氏も言外に含めているような印象があるのですが、「日本国という国家体制が成立した記念日」である憲法記念日は本来なら最大の祝日であり、「事実上の独立記念日」でしかない主権回復記念日とは比べものになりません。
 この潮コラムでなにより奇態なのが、屁理屈ついでにこどもの日をdisっているところです。言うに事欠いて、ひなまつりを置き去りにして端午の節句だけ祝日にするのはおかしい、と。うわぁたいへんだあ、潮匡人氏はジェンダーフリーの手先だったぞー(棒読み)。

追記。(04/30)

 antisankei55さん(いつも素早いコメントありがとうございます)のコメントから、重大な示唆をいただきました。彼らが言うところの「主権回復」とは、米国占領から日本国が国家主権を回復することではなく、国民主権を否定して別の主体が主権を回復することだったんですね。