産経抄、捜査に魔法を求める。
どーでもいいんですがiza!のレイアウトが少し変わって、関連ブログを書くとかトラックバックURLを表示するためのボタンが見出しと本文の間、目立つところに表示されるようになりましたね。他に、各種ブックマークサービスのボタンも表示されるようになりました。イザ!ブックマークが先頭なのは当然ですが(しかし誰が使ってるんだろう)、livedoorクリップやYahoo!ブックマークに先んじて、はてなブックマークのボタンが2番目に表示されているのが、おもしろいですね。「悪名高き左翼ネットオタク」の巣窟(by古森義久氏)なのに。
【産経抄】3月29日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/373979/
いきなり、明治維新を意識して戊戌変法を始めようとした若き光緒帝の話から始まっているので、先日の枝野幸男氏の発言が(産経から肯定的に)蒸し返されてしまうのかと怖れながら読み進めたのですがそういうわけではありませんでした。そのかわりどういうわけか、皇帝毒殺から毒餃子の話になるという、たいへん無神経な構成のコラムになっています。“真相”の発表がタイミングよすぎる、という指摘をしているので、これは産経も冤罪の可能性を指摘するのか、昨夜書いたことがさっそく覆されてしまうのか、とまたどきどきしながら読み進めたら、これも空振りでした。中国当局が、親日路線のために冤罪まででっち上げた、という解釈をとるより、とっくに容疑者を逮捕していた事実をあえて伏せていて、政治的な目的をもってこの時期まで発表しなかった、とした方が、なるほど産経には都合がいいわけですね。
今回の逮捕についてはいろいろ疑念があり、なにより中国当局が信頼ならないわけですが、刑事事件の逮捕起訴まで1年2年かかるというのは、“優秀な”日本の刑事警察でもごく普通の話です。それどころか15年、25年とかかることもあるわけで、そうでなければ控訴時効 公訴時効*1をこんなに長く設定することに意味がありません。逮捕まで2年かかったという事実だけを元に、政治的意図があると決めつけるのもどうかと思います。また、政治的意図を仮定するならそれは「対日関係改善」が目的であると認識するべきですし、そのために冤罪逮捕という非道をした可能性については、日本側としてきちんと批判するべきです(現政権はこの「手打ち」を諸手をあげて受け入れる方向のようで、それどころか総理大臣は「中国製冷凍ギョーザ中毒事件の犯人」と口を滑らせています*2。
*1:3/31、コメント欄でgaullisteさんのご指摘により修正。