黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」、ダブスタに徹する。他。

日韓歴史研究 認識の共有はやはり幻想 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/372983/
〔中国とは違い〕韓国にはそれら〔言論・学問〕の自由がある。だが、歴史問題では金完燮(キム・ワンソプ)氏の著書「親日派のための弁明」が過去に有害図書に指定されるなど、自由はかなり制限されたものだ。

 26日付「主張」。まだ引っ張るのか、と言われそうですが、産経が引っ張っているのでしかたありません。「扶桑社の「新しい歴史教科書」を「右翼教科書」とレッテルを張って非難」されたことがお気に召さないようです。23日の記事では、この教科書が韓国側から非難されるのは当然、みたいなことが書いてあったと思ったのですが、あれはわたしの誤読もしくは幻覚だったのかもしれません。
 引用部分については、「有害図書」というキーワードから産経「主張」のダブスタを指摘すれば十分でしょう*1。産経にとって「言論の自由」がいかにどうでもいいものであるか、気に入らないものを頭から否定するための道具でしかないのかが、ここに如実に表れています。曲がりなりにも新聞社が。

枝野氏「自由に議論を」 郵政法案めぐる対立で - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/373640/
民主党らしく自由闊達な議論をしたら『バラバラだ』、『総理に指導力がない』と書かれる〔略〕」〔と枝野大臣は発言した〕

 27日の記事です。民主党についていちいちそういうことを書くのは、まず真っ先に産経新聞ですよね(政権交代後は各紙とも書くようになりましたが)。この発言を面白がって報じるあたり、松江支局の記者には産経記者としての自覚がないのでしょうか。
 実はこの27日の松江市の講演では、もっと重要な、しかも産経好みの発言があったようなのですが、この記事には触れられていないようですね。ついでに言及しておきます。

asahi.com朝日新聞社):「中国や朝鮮半島の植民地化、歴史の必然」講演で枝野氏 - 政治
http://www.asahi.com/politics/update/0327/TKY201003270314.html

 たびたび表明しているように、わたしは枝野幸男氏を支持していますが、この発言にはさすがに考え込んでしまいます。「時代が変われば政治のあり方を全面的に変えなければならない、さもなければ国が敗れるのは必然だ」といったことを言いたかったのはわかるのですが、表現が悪いというか、軽率のそしりは免れないでしょう(朝日記事がよほどおかしな発言の切り取り方をしていないかぎり)。与党になり閣僚になったことで発言が注目されるという感覚が、まだ身に付いていないのでしょうか。産経の方の記事では、まさにその点を自覚しているようなことを言っているのですが。

足利事件 冤罪なくす教訓にしたい - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/373362/
法曹界全体をはじめ事件の関係者が猛省し、冤罪(えんざい)防止に向けて最大の努力を行わねばならない。

 27日付「主張」ですが、引用部分に関しては一言ツッコむだけでいいですね。取調べ可視化に猛反対の社説を掲げていたのはどこの新聞ですか? *2

追記。(3/28)

日韓併合まで朝鮮近代化できず」枝野行政刷新相 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100327-OYT1T00788.htm

 コメント欄でほげさんにご教示いただきましたが、読売の報道は発言のニュアンスがかなり異なっています。朝日記事と大筋で食い違っているわけではありませんから、ニュアンスをどう解釈するかの違いといえるレベルですが。
 どちらかといえば読売のほうがひどい発言内容になっている、という指摘もあります。少なくともこの要約では、典型的なリビジョニストの、あるいは典型的ではないかもしれない、たとえば古田博司・筑波大教授の言い草とそっくりになってしまいます。読売的にはこれで正しいのかもしれませんが。