黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経の特大スクープ事件。他。

産経抄】3月20日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/370843/

副幹事長解任 自浄努力を封じる愚かさ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/370828/

 産経新聞が当事者のひとつである副幹事長解任に関する、20日付「産経抄」と「主張」です。「自助努力」「自己責任」が大好きな産経ですが、最近は「自浄努力」という、別に変ではないんだけどなんとなく違和感のある言葉を好んでいるようです*1。類推すると、他に「じこう責任」という言葉も好きそうですが、「自公責任」のわきゃないよな。*2
 産経は小沢民主党の独裁体質を強く批判し続けているわけですが、これは盾の両面を見るようなもので、独裁と組織固め、民主的運営と優柔不断は紙一重です。「いっさいの批判を許さない仕組みにする」のと、内部的な批判はできるがそれをできない空気が支配している、あるいは、内部的批判の道があるのに外部に向けて不用意なことを喋る無責任さというのは、区別して考える必要があります。幹事長に対して副幹事長が直接苦言を述べられなかったとすれば、これはいささか異様な状態ですが、それと上に対する(告発ではなく単なる)批判を言うのとは、別問題です。組織人としての自衛官それも最高幹部でありながら、不用意な形で外部に個人的意見として最高指揮官の判断(村山談話)を否定した田母神俊雄空幕長(当時)の更迭と、この事件はパラレルの関係にあります。産経は生方氏や田母神氏の味方をしていますが、そのわりに産経社内の労働事情に関する内部告発には、けっこうな態度をとっていたようです。なかなか本末転倒な話です。

【単刀直言】生方幸夫民主副幹事長「党の“中央集権”、首相は小沢氏を呼び注意を」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100317/stt1003170045000-n1.htm

生方幸夫民主副幹事長「党の“中央集権”、首相は小沢氏を呼び注意を」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/369513/

 MSNでは3/17 00:40、iza!は同01:14に公開された、問題のインタビュー記事です。どういうわけかいずれも、サイトの最新記事検索では出てきませんね。過去記事扱いにされています。政局を大きく動かした、ある意味で特大スクープ記事なんですから、もうちょっと前面に押し出してもいいのに。
 それにしてもこのインタビュー、執行部批判はいいとしても、副幹事長としての当事者意識がなさすぎませんかね。本当に喋ったとおりに枝葉を刈らずに掲載されているとしたら、ですが。よりによって産経相手にここまでぺらぺら喋ったというのも、処分決定への大きな要因ではないかと邪推しますが、どうでしょうか。

クロマグロ逆転 食卓の危機は変わらない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/370842/

 大筋はいいんですが、いちいち「中国に警戒しろ」と唱えなければ筆を擱けないのでしょうか。利害共有国なのが今回証明されたわけですが。同じく反対に回った豪州は、産経的には対中軍事同盟国のはずなのに、まとめて警戒対象に加えているし。これは、敵味方の判別がダブルスタンダードなのではなく、ふだんのあまりに軍事に偏重した視点がハーフスタンダードだということなのではないですか

*1:しんぶん赤旗にも用例がありますが。

*2:「自公責任」は(C)monamiさん/2009 at Afternoon Cafe by 秋原葉月さん via 村野瀬玲奈さん