黙然日記(廃墟)

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産経抄、ばっくれる。他。

産経抄】3月15日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/368726/

 「キッコーマン ぽん酢しょうゆ」の1986年のCMは秀逸でした。というか「幸せってなんだっけ ぽん酢しょうゆのある(=みんなで鍋物を囲むような)家さ」というフレーズは、極端な(しかしなるほどと思うような)断定をしながら、商品の特徴をアピールする力、さらにキャスティングを含めた演出面の印象も相まって、広告コピーの歴史に残るのではないでしょうか。しかし、「ぽん酢しょうゆ」の商品自体は消えてしまい(現在は「キッコーマン ぽんずしょうゆ」シリーズ)、明石家さんま氏が20年以上このCMソングを歌い続けているわけではありません*1
 「あなたは幸福ですか」「今の生活に満足していますか」。こうした調査は大昔から行われており*2、それを改めて行うからといって「幸せを数値化?*3なんて見出しを付けるような話でしょうか。
 名前だけの「戦後最長の好景気」で生活実感が伴わなかった、はっきり言えば企業や金持ちだけが儲けて経済指標が上げたのみで、庶民の生活は苦しくなる一方だったというのが、自民党政治でした。その末期には、小泉竹中改革からは路線変更した、と言っていましたが、本質的な部分では変わらないままでした。そこを根本的に変えるのが国民多数の望みであり、政権交代の原動力だったことを、産経は理解していない……とは思えません。どう見ても、しらばっくれているだけでしょう。
 後半はいきなり、菅直人副首相の愛読書だというハックスリー『すばらしき新世界』を持ち出して、幸福調査などしている場合か、とか言うわけですが、「なにが不幸であるか」は明確にわかっている、少なくとも継続的に調査されているわけで、その方向性というか焦点を決めるためには、やはり調査が必要だろうと思います。調査だけで満足するなよ、と現政権には強く言いたいところですが。

高速割引 国民欺く建設費への転用 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/368725/

 15日付「主張」。「政策趣旨は当初の姿から大きく変質した。政権公約をかくも安易に変える鳩山政権は国民の信頼を軽く考えすぎている」という指摘はまったくもってそのとおりで、この点に関しては賛同せざるを得ないのですが、高速無料化をあれだけ否定していた産経が、何を言っているのかとも思わざるを得ません。主張内容をかくも安易に変える産経新聞は、いやこの先は言わぬが花ですか。

茨城空港でコスプレ大会 21日からは「水戸コミ」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/368839/

 痛ぇ。背筋を中心に前頭葉から爪先まで激痛が走ってるよママン……。イベント自体が原因の8割、産経の記事の書き方が95%ってところです(複数回答のため合計は100%になりません)。「架空のアイドル歌手「初音ミク」など」とかもう、勘弁してくださいお願いだから。頼みます。しかも「水戸コミ」とか……。いちおうCS5の説明はついてるけど、それがまた的外れだし……。
 朝日読売東京新聞などの記事とも比較してみたのですが、いずれも「こーゆーイベントがありました」と変に媚びを売らず冷静に紹介しつつ、茨城空港そのものの問題*4と絡めた内容で、コみケッとスペシャル5in水戸*5の関連イベントであることに触れているのは東京新聞だけ、それも「コミケ」の固有名詞(固有名詞です、念のため)は出さない、慎重なものになっています。これらの後で、あらためて産経の記事を読んでみると、どうでしょうか。……痛さがさらに倍増するので、決してやらないでください。

*1:短いツッコミのために長々と書いてしまいましたが、ほんとにあのCMはよくできてたと思うのですよ。CMの訴求力が商品の売り上げにつながらないことも証明してしまいましたが。

*2:たとえば内閣府「国民生活に関する世論調査http://www8.cao.go.jp/survey/h21/h21-life/index.html

*3: http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/363227/

*4:詳しく説明するまでもないと思います。

*5:keyword:コみケッと、keyword:コミケットスペシャルあたりをご参照ください。