産経オピニオンの矛盾観。他。
安倍元首相、小沢氏の不起訴方針に「だれもが驚いた」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/353809/
町村派の会合で、安倍ちゃんが挨拶したそうです。
「(小沢氏不起訴という)新聞紙面を見て、だれもが驚いただろう」→2007年9月12日夕刊を見たときの驚きにはかないません。
「(首相の不起訴希望発言など)そういうことの影響ではないか。日本の法秩序自体が危うくなっていく可能性がある」→立法府で史上最多の強行採決をした内閣の方が、よほど日本の法秩序を危うくしていたと思います。
ていうか、安倍晋三氏の発言をいまさらいちいち伝えるメディアも、産経新聞ぐらいですよねえ。森喜朗氏の扱いも一時期そんな感じでしたが*1。
小沢幹事長 国民が納得できる処分を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/353650/
今日4日に、小沢一郎氏は不起訴、元秘書ら3人が起訴というかたちでいちおうの区切りがつきましたが、その前にほとんど検察のリーク情報に基づいて書かれた今日付「主張」です。
「この方向で決着した場合、検察に対する国民の信頼は失われかねない。これまでの一連の強制捜査や事情聴取は一体何だったのか、という検察批判が渦巻くだろう」という文章があり、何だといえば検察による民主党攻撃を目的にした恣意的な捜査だろうとしか考えられないわけです。これはいよいよ産経も検察批判に転じるのか? と思ったのですが、そのあとは小沢氏や鳩山由紀夫首相の「脱法行為」を並べ立て、「違法行為の摘発が検察の責務である」と締めているので、前記の引用部はなにか別のことを言いたかったのでしょう。なんなんだかわかりませんが。
【産経抄】2月4日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/353630/
こちらも上記「主張」とほぼ同じテーマなのですが、中谷宇吉郎の名随筆『立春の卵』を引いて、常識や先入観にとらわれないことの重要性を言いながら、先入観で小沢氏の事件関与を決めつけ、「一般の常識では考えられない」とまで述べています。この短い文章でここまで矛盾したことを平然と書けるのですから、これは歴史に残る迷随筆かもしれません。
【40×40】潮匡人 中国が怒っている本当の理由 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100204/chn1002040733002-n1.htm
矛盾ついでにおまけ。潮匡人氏が、台湾に米国がPAC3などの武器を売却したことに中国が怒っているの、台湾侵略の意図があるからだと解説する、実につまらないコラムです。文中で「矛盾」という中国の故事を引用して、PAC3は盾ではあるが矛ではない、と言っているのですが、「矛盾」の意味や故事そのものを理解していないとしか思えない引用です。潮氏のような人にとって、「矛盾」なんて概念を(他者への攻撃文句以外に)考えることもないのかもしれませんが。