黙然日記(廃墟)

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産経抄の「まともな国」。他。

産経抄】1月28日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/351026/

 拉致問題の、感情論に訴えた利用は、プロパガンダの手法そのものです。「我が同胞よ、卑劣で残忍な敵の犯罪により、このように苦しんでいる家族がいる……これを見過ごしていて許されるのか! そうだ! 今こそ戦いのときだ! 諸君、戦争だ! 戦争だ!」。……いや、これはだれかの演説ではなくて、今勝手にわたしが「産経抄」の内容をダイジェストしたんですけどね。抄子も、いきなりなんの説明もなく演劇の(フィクションの)内容を引用することから始めてるんだから、このぐらい許されるでしょう。
 それにしても、なにこのオチ。9割まで拉致問題で進めてきて、「戦争だ!」で締めるなら、まだコラムとしての体裁はいいのですが、いきなり基地問題外国人参政権にまで話を広げちゃっています。産経の言う「まともな国」って、なんでしょう。
 「普通の国」という言い方ならば、湾岸戦争以後に提唱された、「自衛隊が国際軍事に参加できる国」という意味からの流れだと記憶しています。ここで、少なくとも小沢一郎氏の提案は「国連コントロール下での軍事貢献」だったのに対し、産経や清和会系がいつの間にか「自主派兵」にすり替えてしまっていました。この産経的「普通の国」とはさらに別の概念として「まともな国」があるらしく、巣食う会 救う会や櫻井よし子氏らがたびたび唱えています。実態が今ひとつ不明だったのですが、どうやらこれには、「地域住民無視」の意味が加わっているようです。つまり、産経の言う「まともな国」というのは、どうみても中国か北朝鮮のことです。米国なら自国の地域住民無視はしません。

【主張】経団連新会長 鳩山政権に厳しく注文を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100128/plc1001280428003-n1.htm

 新会長の米倉弘昌氏は国際会議で英語スピーチをするから国際通として知られる、とか持ち上げていますが、日本を代表する経済人になったら日本語でスピーチするべき、とは言わないんですか。鳩山首相が国連総会で英語演説したときに、いちゃもんをつけていたのはどこの新聞でしたっけ。
 「経済の成長なくして国民への分配はない」と大上段に構えた直後に、企業の海外進出支援策を求めるのは、どういうつもりなんでしょうか。なにも考えていないのかな、やはり。

25%削減 国民への説明が足りない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/351047/

 28日付もう1本の「主張」では、国内産業の空洞化を心配するようなことも言っているんですが。もっともこれは、心配してみせているだけ、という気配もなきにしもあらず、です。