黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経政治部長、腰が抜けるほどびっくり。他。

【主張】小沢幹事長 続投は受け入れられない - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100117/stt1001170252001-n1.htm

 内容が昨日の「主張」とほとんどかぶっています。こちらは、10ヶ月前ならまだしも昨日書いたことを繰り返すわけにもいかないので、簡単に済ませてから今朝の朝刊一面に掲載されたというこちらの記事を取り上げます。
 ひとつ、小沢一郎氏には資金面での疑惑がもたれているという事実があります。辞書ではないですが「疑惑」というのは「疑われる」という意味で、白か黒かはっきりしないグレーの状態である、ということになります。黒と確定してはいません。それを明らかにするのが検察の役割ですから、白か黒かをはっきりさせるように頑張ってください、と言うべきところです。また、東京地検特捜部が、小沢氏をターゲットにしているのは確実です。これは、まだ西松事件の第一審も終わっていないのに次々と捜査に手をつけていることと、一方で他の政治家の「疑惑」にはほとんど手をつけていないところからも明らかです。各人の疑惑を平等に扱うべきところですが、小沢氏関連の一つの押収資料が複数の疑惑解明の手がかりになるようなこともあるでしょうから、段取りとして間違っているとは言えません。いっぽう、なんらかの陰謀や検察全体の意識を仮定することもできますが、それはとりあえずおいておきます。いずれにしろ、検察の意図がどういうものであれ、小沢氏に捜査が集中しているから疑惑の主は小沢氏だけ、ということはありません。

民主党議員は腰抜けか 政治部長乾正人  (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100117/stt1001170253002-n1.htm

 「腰が抜けるほど驚く」という表現をわたしは好んで使いますが、「腰抜け」という罵倒は個人ブログの場でもめったに使いません。それが仮にも全国紙の一面に掲載されているのですから、腰が抜けるほど驚(ry
 上掲「主張」と立場は同じでありながら、他にも「実態は小沢政権」など、より激越な言辞を使っているのは、匿名記事で会社全体の意見と判断される「主張」には書けなかったことを、個人名で書いたということでしょうか。乾氏といえば思い出す、昨年8月の「靖国参拝で自民は勝つる!」にしても、同じことが推測できます。もしそうなら、あっぱれな愛社精神であります。会社全体の立場そのものに疑問を持ってほしいところですが。
 「日ごろは威勢のいいことをテレビで吠(ほ)えている若手・中堅議員ほど口をつぐんでいる」というその腰抜けぶりにびっくりだそうですが、日ごろは威勢のいいことを紙面でで吠えている産経新聞幹部記者が、都合の悪いことになると口をつぐんでいるのは、どう解釈したらいいのでしょうねえ。

【新書】『数字のウソを見破る』中原英臣・佐川峻著 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100117/bks1001170852010-n1.htm

 つい一昨日のエントリ*1で、中原英臣氏の統計の引用がおかしい、という指摘をしたばかりなのですが、今日の産経書評欄にこんな新刊が紹介されていました。共著とはいえ、いったいどんな内容なのか、気になります。

【話題の本】『世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか』菅原琢著 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100116/bks1001160806005-n1.htm

 16日付ですが関連して。ちょうど世論調査や統計に関する話題の本 ISBN:9784334035372産経新聞書評面で紹介され、これも話題になっています。世論を曲解するといえば産経の得意技で、この本でも産経の記事(たとえば「麻生太郎氏には国民的人気があるので選挙の顔にふさわしい」など)を特に取り上げて批判している部分が多いそうなのですが(わたしは未読です)、この紹介記事にはその点がまったく触れられていません。中身を読まずに書評を書いたんじゃ? とか言われていますが。

速報。

大学入試センター試験 問題・正解一覧 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100116/edc1001162002006-n1.htm

センター試験設問で「外国人参政権容認?」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/347133/

 17日23:29の、安藤慶太記者による記事。すでにいろいろと話題になっており、産経が記事にしていないのはおかしいな、と思っていましたが、やっと来たか。16日に実施されたセンター試験の公民・現代社会・第1問・問3で、「最高裁判所は,外国人のうち永住者等に対して,地方選挙の選挙権を法律で付与することは,憲法上禁じられていないとしている。」という記述を正しいとすることが正解になる出題がありました。問題そのものは、新聞やテレビで昨年の総選挙報道に普通に触れていればすぐ解けるようなものです。安藤記者はこの出題を、例の「傍論だから判決ではない」という暴論で片づけようとしています。「最高裁が〜している」のは事実ですから、出題としてもなんら問題はありません。
 リード文では「識者からも「不適切」との声があがっている」としていますが、コメントしているのは百地章氏一人だけです。まあこれはいつものことですが。百地氏のコメントも、言うまでもありませんが、「傍論」説と、議論が分かれている問題だから出題は不適切、というものでした。ところが、大学入試センターからは教科書に書かれているから出題したというコメントがあって、まったくもってもっともな話です。教科書の内容は学会の多数説がかかれるものだということを、再確認しておきます。