黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経の資質に疑問「軽率」「経済知らぬ」。

 すっかり出遅れてしまったので、メモだけ。

財務相の資質に疑問 「軽率」「経済知らぬ」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/343919/

財務相の資質に「?」の声が続々 「軽率だ」「経済知らない」… - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100108/plc1001082054020-n1.htm Web魚拓

 これが問題の記事

産経は日本経済を政争の具にします(唖然) - vanacoralの日記
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20100108

塩爺時代の産経の論調 - Mちゃんの経世済民
http://d.hatena.ne.jp/Mchan/20100109/1263022685

サルコジ大統領もドル安を批判する発言をしていた - kojitakenの日記
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100109/1263031789

はてなブックマーク - mujinのブックマーク
http://b.hatena.ne.jp/mujin/20100109#bookmark-18432878
見出しは「続々」、本文は谷垣さんと匿名氏を除けば「(矢嶋氏)」のみ。

 という感じで皆さんがツッコんでいらっしゃるので、あとはまあ、付け加えることもありませんかね。mujinさんの指摘に蛇足を描くなら、ニッセイ基礎研究所・矢嶋康次主任研究員の発言は「飽きられやすい」「〜ことが多い」というだけで、いつまでも繰り返した場合の話なのは誰にでもわかります。就任会見での発言というのは、インパクトを考えると十分な効果があったのではないでしょうか。
 すごくどーでもいいことで、記事中に匿名エコノミストの発言として「底浅さ」という言葉が出てくるんですが、初めて聞きました。辞書にも載っていないし、検索しても鍋や小物入れの底が浅いタイプという用法しか見あたりません。「(能力面での)底の浅さ」あるいは「浅薄さ」と言いたいのはわかりますが、何をどう間違えてこんな表現が出てきたのでしょうか。


 これだけではなんなので、ついでにちょっと並べておきます。

財務相、為替発言“確信犯”? 波乱含みの船出 日航対応、分かれる評価 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/343612/

 関連記事と思われるもので、問題の記事に比べれば相対的にマシな内容です。こちらの方が半日ほど先に出ており、それなりに菅財務相への批判としても成り立っているので、これだけでやめておけばこんな問題にはならなかったのに、なんでわざわざ自爆するんでしょうね。

円高進行 協調して行き過ぎ止めよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/329599/
 2009/11/28 07:19

円高・株安対策 バラバラな方針の是正を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/330524/
 2009/12/01 07:46

 いずれも産経新聞「主張」。まあ、1ドル=90円を割っていた時期のものですが。
 5日のエントリで少し触れたように、経団連など経済3団体も1ドル=100円ぐらいの円安を求めていますし*1問題の記事中でもパナソニックの社長、つまり輸出産業を代表する人が円安歓迎の発言をしています。産経新聞が(今は「産業経済新聞」ではないにしても)産業・経済界と資本主義の代弁者であることは、別に隠してもいませんし、そこに文句はありません。しかし円安がいい悪いとか口先介入の是非とかではなくて、報道姿勢の一貫性が問題なのです。vanacoralさんのエントリタイトルが端的に示しているように、この記事が経済問題の本質を忘れて菅財務相を批判したいだけなのは明らかです。本来は自民党を保守的資本主義政党であるという理由で支持し、対立する民主党を批判していたはずなのに、政局だけに目を奪われて根本を見失い、批判のため批判に陥りそれに気づかないところが問題なのです。
 産経新聞社の体質以前に、この記者(無署名)からして、どうかしていませんかね。政治部記者はあるていどまでは経済オンチでも務まるのかもしれませんが、円安・円高の意味がわからないほどのレベルで財務相を取材しているわけです。サッカーならオフサイドのルールを知らないレベルで日本代表の取材をしているようなものです。やっていて、自分でおかしいと思わないのでしょうかね。まあ、これは「単に経済がわからないだけの無知な記者なんだろう」という非常に好意的な見方で、意識して詭弁を弄しているわけではない、という前提ですが。そういう意味では、今回は辛光洙とか言い出さなかっただけマシでしょうかね。

今日の「主張」。

【主張】菅財務相 司令塔の責任を自覚せよ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100109/fnc1001090224000-n1.htm

 で、このエントリを片づけてから(最初にメモと言ったわりに長くなってしまいましたが)いつものように今日の「主張」にツッコミを入れようとしたら、おもいっきり同じテーマでした(笑)。まあさすがに、問題の記事を書いた記者よりは経済のことがわかっているようですが。菅財務相は為替の他に予算案審議や日航再建、成長戦略でもリード役が求められている、とか言っていますが、菅直人氏はいままでも経済財政担当相だったのですから(もちろん国家戦略担当相もこれらの政策に密接に関わります)、責任範囲は実はあんまり変わっていないのです。まさか大臣のことについて書くとき、担当範囲を確認していないわけではないだろうと思うのですが。