黙然日記(廃墟)

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産経「正論」、畏れ伏す。

「日米」強化に米国の忍耐を期待 相互理解が完全に欠如 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/343565/

 8日付「正論」は、「靖国神社から未熟な反米史観を排せ」でおなじみの、岡崎久彦氏です。長年現場に携わった元エリート外交官は、現政権の外交政策をどう見ているのでしょうか。それは、1971年のニクソン・ショックに似ているのだそうです。
 佐藤栄作首相がリチャード・ニクソン大統領との会談をしなかったために、日本への嫌がらせとしてニクソン・ショックが起こされたのだと岡崎氏は言います。金本位制放棄は対日貿易赤字が一因であり、対中政策の抜本的変更が極東情勢全般に変化をもたらしたとしても、1971年当時の米国にとって、最重要の「極東」はベトナムであり、日本はたとえばヨーロッパにおける西ドイツと同等ぐらいの存在ではあるにしても、それ以上ではなかったはずです。ニクソン・ショックは全世界の安全保障秩序(米国の中華人民共和国承認は、国連安保理常任理事国の交替をもたらしました)と経済秩序の抜本的な変化をもたらす決断であり、一国への嫌がらせだけで実行できるわけがなく、そう考えるのは相当の自意識過剰な人間だけでしょう。
 鳩山政権の外交面における最大の公約だった「対等な日米関係」は、言葉としては様々な解釈が可能ですが、少なくとも(どちらかが)対話を断ち切るようなものではなかったはずです。このあたりの歯車の食い違いは、批判されてしかるべきでしょう。しかしそれを、タタリ神米国様のお怒りに畏れ伏すしかないというのも、少なくともまともな独立国の外交ではないでしょう。*1

*1:だから、今観てるアニメにいちいち影響されるなっての……>俺