黙然日記(廃墟)

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産経コラム、穴が小さい。他。

【40×40】潮匡人 首相官邸への年賀状 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100107/plc1001070814007-n1.htm

 反語的表現で鳩山首相を皮肉っているつもりらしいですが、文章としてあまりに低レベルで呆れました。最初の、高校無償化や子ども手当のバラマキを批判している(と思われる)部分は、反語として書いているのか、本気で感謝しているのか、まるでわかりません。実際に高校生を頭に3人の子供を持ち、1食260円の給食費を高いと言い子供を修学旅行にもやれなかった潮氏*1が言うと、本気だとしか思えないのですが、そうすると後に続く部分との整合性が取れなくなります。
 その次は例によって、インド洋給油はわずか60億円なのに中止し、アフガン民生支援に50億ドルも拠出することへの反語的批判ですが、無料ガソリンスタンドが本当に年間60億円で済んでいるのかは別として、文章技法として間抜けとしか言いようがありません。数字としては60億より50億の方が少ないので、円かドルかで単位をそろえて並べなくては、せっかくの反語表現が無意味になります。
 さらに鳩山首相の政治資金問題へと続きます。鳩山由紀夫氏に対して、金銭管理があまりにルーズであることへの厳しい批判は数多く、また資産家であることへの(やっかみも含めた)批判もありますが、「カネさえあれば、総理の椅子だって夢ではありません」という批判は初めて見ました。もちろん根拠は示されていません。これで自分も確定申告しなくていいんだとか、およそ関係あるとは思えない茂木健一郎氏の申告漏れを持ち出したりとか。文章の低レベルさとともに、なんて金に汚い人だという印象だけが残るコラムでした。
 ふと思いついたことを付け加えておきますが、いわゆる金に汚い人、出し惜しみする人を、俗に「ケツの穴が小さい」と表現します(失礼しました)。ところでフロイト精神分析理論では、トイレットトレーニングの時期に排泄を我慢することで快感を覚えるようになった幼児は、その性格が一生続き、なんでも出し惜しみするようになるとされています(肛門期固着)。フロイト理論は1世紀も前のおそろしく科学的根拠に欠ける理論ですが、それと関係なく生まれた日本の俗語表現とも一致するというのは、興味深い現象です。

藤井財務相辞任 政権の打撃どうはね返す - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/343179/

 7日付「主張」。鳩山内閣組閣当時から、藤井裕久氏は財政路線が違うのに財務相につけて大丈夫なのか、みたいなことは言われていたと思います。この辞任は、基本的には健康問題があるとしても、小沢一郎民主党幹事長や菅直人国家戦略担当相との確執が一因だとした解釈は、わからないではありません。しかしそれがわかっていながら、後任の菅財務相に財政規律や消費税増税を強く求めているのは、状況を理解していないとか自分たちの思いこみによる要求だけ並べているという以前に、文章として矛盾しているとしか思えません。あるいは産経新聞には、「内閣総理大臣閣下が決められたことに批判は許されない」というのが、下野なうでも身に染みついてしまっているんでしょうか。民主党が野党だった時代の延長ではなく、政権を政権として批判することが不可能なくらい、体制追従が身に付いてしまっているんでしょうかね。

*1:参照:雅楽多blog : 貧すれば鈍するってのか…酷すぎる給食費論 - livedoor Blog(ブログ) http://gutti.livedoor.biz/archives/50771103.html