黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、百回繰り返す。他。

日本年金機構 「お客第一」で信頼回復を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/342408/

 5日付「主張」で見落としていましたが、「社保庁時代には「45分働いたら15分休憩」といった耳を疑うような覚書」とか、まだ言ってます。それは労働基準局が示したVDT労働に関する基準を遵守しているだけです(遵守しすぎだとは思いますが)。これは以前指摘したし*1、別にわたしが指摘しなくても少し調べればすぐわかることなのですが、もちろん聞いていないどころか、さらに話を拡大していますね。本来は窓口端末操作の取り決めなのに、この「主張」の表現では全職員が45分労働みたいです。なんとかも百回いえば本当になる、というつもりでしょうか。*2

ごね得”許した「派遣村の品格」 費用は6千万円大幅超の見込み - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/342365/

産経抄】1月6日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/342768/

 上は4日付記事です。昨年に引き続き、今年の「派遣村」に関しても、産経は叩かずにいられないようです。まあ、コンセプトがほとんど同じの上に民主連立政権が実施したのですから、産経が諸手を挙げて賛成するわけもないのですが。
 今回の公設派遣村にはちょっとどうかと思うところもあり、湯浅誠首相補佐官 政府参与*3には正直がっかりもしています。いろいろやむを得ない面があることは理解するとしても、たとえば派遣社員を馘にするとき、行き場のない人を社員寮から追い出すことは禁止するとか(実質的に馘にできなくなりますね)、そのぐらいの大胆な政策を期待していたのですが。
 どうでもいいけど、上の記事の関連記事として表示されている見出し、「食事が豪華すぎる年越し派遣村」というのがひどいですね。実際のページ見出しと記事の内容は、「年越しの公設派遣村に700人超 「食事が豪華すぎて、今後との落差が怖い」*4というものなのに。
 産経抄の方も、そんなに偽善が嫌いならFNSチャリティもやめさせろよとかいろいろ言いたいのですが、そもそも派遣村のようなセーフティーネットの極みみたいなことを、ボランティアがやる方がおかしいのだ、ということを、理解できていないのでしょうか。なんのために国家があるのか。まさか日米同盟維持だけが国家の目的のすべてだと、産経は考えているのでしょうか。ボランティアや慈善事業のルーツは、コミュニティ(たとえばムラ)の中の助け合いだったでしょう。しかし、篤志家が現れなければ困窮者が救済されないのではそもそもセーフティーネットの目的は達せられませんから、そうした絶対に必要なことは強制的に徴収した税金でまかなう。――それが、近代国家というものだったはずです。新聞が、社会に向けて「もっとボランティアを、もっと慈善を」と呼びかけるのはいいとしても、それを国家の最低限の責任を回避するために推奨するのでは、下野なうとかいう以前に、産経の姿勢は最低です。

*1: d:id:pr3:20070614:1181819090 にて。

*2:ちなみに前回のエントリでも、社保庁を擁護するわけではないと書きましたが、その後のねんきん特別便などを経て、わたしの年金記録も漏れていたことが判明しています。社保庁を擁護する気はまったくありません。

*3:1/7修正。確認しないで書いてしまっていました。追記すると、もちろん湯浅参与一人の責任ではなく、湯浅氏を起用するという大胆な人事を行いながら具体的な政策に反映させていない内閣政府全体の責任です。

*4: http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/342365/