黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経新聞の爆裂打線。

朝鮮戦争60年(1)北との交渉に圧力は不可欠 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/341899/

朝鮮戦争60年(2)日米に代わる同盟の絆(古森義久) - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/341922/

朝鮮戦争 消せない中朝の原点 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/341997/

 2010年といえばまずアーサー・C・クラーク、あとは平城遷都1300年とか日韓併合100年とか日米安保50年とかになるわけですが、さすが産経は目の付けどころが違いますね。
 例によってイザ!は見出しのフォーマットがめちゃくちゃですが、【朝鮮戦争60年】シリーズ(1)〜(3)までが今日、続けて配信されてきました。(1)の筆者は黒田勝弘・ソウル支局長、(2)の古森義久氏はワシントン駐在編集特別委員、(3)は伊藤正・中国総局長です。この3人の国際派スター記者によるサンケイ球団クリーンナップ*1が揃ったのも、思えば10年近く前になります。この戦争は朝鮮半島を舞台にした事実上の米中戦争だったわけですが、それぞれ韓国・米国・中国報道を専門とする3人がクリーンナップというのは、考えてみると産経新聞はいまだに朝鮮戦争体制を引きずっているわけですね。
 黒田記者は、半分ぐらいが映画『慕情』や自分の思い出話で、面白いといえば面白いのですが、ただのエッセイ(essayではなく)です。ご存知のようにこの戦争は、1953年の休戦協定がそのまま継続しており、まだ終結していません。単に休戦しているだけです。この“成果”を導いたのが、休戦交渉という「対話」と実際の戦闘による「圧力」だった、北朝鮮を動かせるのは「対話と圧力」だけだ、というのが黒田記者の結論ですが、さてはて。
 古森記者は、米国では「忘れられた戦争」という扱いだったことと、冷戦後に実はコミンテルンの陰謀(ちょっと違う)で始まった戦争だったことが判明して再評価されている、みたいな話。そうなのか、とは思いましたが、それだけですね。見出しの「日米に代わる同盟」とは、現在の韓国の李明博政権が米国との軍事的結びつきを深めているから鳩山由紀夫政権の日本に取って代わる、開戦60年でまた米韓関係の重要性が強調されるだろう、とかそーゆー話でした。実際に記念行事などの計画はあるのか、という点には言及されていません。「だろう」だけです。ちょっと気になったのが、金日成に「氏」をつけているところです。死後20年近く経ち、すでに歴史上の人物だと思うのですが、古森氏の心の中にはまだ金日成が生きているのでしょうか。
 伊藤記者は、毛沢東が参戦を決断した経緯について述べています。「原爆には手榴弾で対抗する」という毛の檄文は、「竹槍でB29を落とす」を連想しましたが、全体的には客観性を保った記事ですが、朝鮮戦争が現在の中朝関係の原点、という結論に到るのは興味深く感じました。産経クリーンナップ3記者は揃って、やはり朝鮮戦争体制の申し子なのですね。

*1:守備位置は順不同でライト・スーパーライト・ウルトラライト。