産経「主張」が予想どおり。他。
【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂 帰還事業とマスコミの責任 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091226/kor0912260259001-n1.htm
26日付。途中まではほぼ表題通りの内容で、当時の朝日新聞や毎日新聞の記事を引用してけなしているのは予想どおりですが、自紙産経新聞も当時、帰還事業を推進していた責任を認めているのは、ちょっと珍しいと感じました。もっと珍しいのは、1950年代の北朝鮮が実際に経済発展していて（韓国よりは）豊かな国であり、今思えばショーウィンドウ外交だった平壌の風景に騙されていたことにも、一定の理解を示している点です。おやおや、あの石川記者が、と思ったのですが、やっぱりちゃんとオチはついていました。その“地上の楽園”幻想が2002年まで続いていたかのように書いているのですが、日本人拉致事件が発生した70年代後半から産経新聞の阿部雅美記者が「北朝鮮による拉致事件を報じた」*1 1980年以後にはすでに、金王朝の世襲化や北朝鮮経済の行き詰まり（同時に韓国経済のめざましい発展）が明確になっていましたし、88年の大韓航空機爆破事件の発生とそれに伴い拉致疑惑が濃厚になって以後、北朝鮮を礼賛していた大手メディアはあったでしょうか。石川記者の「帰還事業以降、北の宣伝に乗せられ続けたマスコミにもあるといえる」という記述は、どのあたりを想定しているのでしょうか。
元秘書起訴 首相の政治責任は明白 「脱税」の疑い徹底解明せよ - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/339555/
25日の2本組「主張」は、24日夕の鳩山由紀夫首相（衆議院議員）の会見を受けてのものでした。たまたま中継を見ていたのですが、見ながら、「ああ、産経はこう書くだろうなあ」と思っていたことがそのまま書いてあるので、ちょっと威張ってもいいですか。修正申告だけでは済まされない、「秘書の罪は政治家の罪」という以前の発言の整合性も問題だ、「私腹を肥やしていない」というのは関係ない、議員辞職（＝首相辞任）しろ。いちいち指摘しませんが、たいていの人は「辞職するほどのことじゃないだろ」と思うていどの事件にすぎないし、政治倫理綱領の公私混淆をいさめる項目を引っ張り出してくるのは、お門違いもいいところでしょう*2。まあ、綱領策定時にこんな方向での公私混淆は誰も予想していなかった（それだけ「井戸塀政治家」が死語になっていた）ということはあるにしても。
ここで鳩山氏が辞職する手はあったと思います（実はそれを期待して中継を見ていました）。「国民に支持されているのにマスコミに辞めさせられた首相」として同情を得られ、国内政局の手綱を握る妙手になり得たと思います。ただその場合、国際的な日本国への信頼は底辺まで失墜していたでしょうから、現実的に国益を考える政治家なら、やはりあり得ない選択肢でしょう。
