黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経、茶飲み話の会を開く。他。

【から(韓)くに便り】ソウル支局長・黒田勝弘 「人道航路」の痛恨 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091219/kor0912190312000-n1.htm

ソウルからヨボセヨ 韓国人は南方系? - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/gaishin/337489/

 いやまあ内容的にはとりあえずおいておくとして*1、問題はどちらも配信日が19日で、どちらも黒田勝弘・ソウル支局長のコラムだという点です。なんで産経新聞は、同じ日の紙面に一人の記者の署名コラムを2本載せるのかと。タイムスタンプもMSN産経ニースではそれぞれ03:11と03/13で、配信画面で並んじゃってますよ。なんか、「今日は黒田の日」「今日は古森の日」みたいな内部のルールがあったりするんでしょうかね。

産経新聞報道検証委員会 鳩山新政権 「健全な二大政党」ぶれぬ報道 (1/7ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091220/stt0912200835002-n1.htm
 ■社外委員
 田久保忠衛 外交評論家
 葛西敬之  JR東海代表取締役会長
 残間里江子 プロデューサー
 土肥孝治  弁護士
 ■社内委員
 片山雅文 産経新聞東京編集局長
 飯塚浩彦 産経新聞大阪編集局長
    (司会 平田篤州・産経新聞報道検証委員会事務局長)

【用語解説】産経新聞報道検証委員会
 平成13年7月に発足。産経新聞社が記事や取材方法などの適正を確保するため、社外有識者を交えて検証する委員会。報道姿勢にかかわる個人の名誉やプライバシー侵害の案件を検証するほか、報道全般の問題をテーマに議論する。現在の委員は社外委員4人と社内委員2人の計6人

産経新聞報道検証委員会 裁判員制度 プライバシーの問題、鋭く突く (1/7ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091220/trl0912200823002-n1.htm

 あんぐり(口を開けたまま閉じられない擬態語)。


 まあ、テレビ局なんかでも朝の目立たない時間帯にやっているようなアレなんでしょうが*2、年1回しかやらないのか。それにしても、ここまでまったく報道を検証していないというのは、すごいですね。
 とりあえず、「社外委員は社外から選べよ」と言いたくなりました。田久保氏は言うまでもなく「正論」メンバーで住田良能・産経新聞社社長の兄貴格。葛西氏は教育再生会議でも委員でしたね。土肥氏も例の「正論」懇話会お大阪代表幹事です。残間氏はそれほどあからさまではありませんが、産経のサイトを検索してみると提灯記事がわんさか出てきます*3
 すべてにツッコミを入れることは不可能なので(どう考えても元記事より長くなります)、とりあえず目についた、笑える茶飲み話をピックアップします。「鳩山新政権〜」はいきなり乾正人政治部長が説明に現れるだけで笑えてしまいます。田久保氏は紙面批評じゃなく、ただひたすら、自分の政治的主張を述べているだけですね。4ページ目の片山委員のネトウヨなみの発言や、同じく4ページ目の田久保委員による、米大使に関する報道が誤報であったことを認めない(しかしわざわざ言及する)姿勢。5ページ目葛西氏の、現在の情勢は第二次世界大戦前に似ている、という発言がツボに入りました。“進歩的文化人”かよ。残間氏と土肥氏は相対的にまともに見えます。田久保氏と葛西氏、それに片山氏がやはり光っていますね。
 次は「裁判員制度〜」のページです。ある意味ではこの制度の当事者といえる検事総長の土肥氏が発言の中心になっていて、裁判員制度について全面的に肯定しています。そもそも産経新聞社自身が裁判員制度フォーラムの開催に協力し、水増し動員までして盛り上げていたわけですが。逆に田久保氏は、前の記事と違って非常におとなしく、たまに口を開いたと思えば、裁判員は70歳までとされているが「人生に味が出てくるのは私のような70歳を超えてからです」とか、どう見てもわざわざ笑いを取りに行っているとしか思えません。合計14ページの記事で通算12ページ目にして、飯塚氏が初めて口を開いているあたりも見ものですね。このまま発言がなかったらどうしようかと本気で心配していました。裁判員制度についての茶飲み話 議論としては面白いところもあるのですが、産経新聞報道検証委員会だったら、裁判員制度報道を取り上げる前に、やるべきことはいくらでもあるでしょう? 
 この二つの記事はお互いにまったくリンクされていないんですよ。たまたま前の記事だけ、後の記事だけ見た人は、他にどんな馬鹿話 報道検証が行われているか、まるでわからないわけです。両記事とも全7ページに分割されている上に、各ページへのリンクは5ページ目までしかないなど、よほどこの「検証」を読まれたくないのかと思わざるを得ません。

産経新聞報道検証委員会 五輪が描く「真の中国」 (1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/beijing2008/news/080728/gbh0807280923001-n1.htm

 ちなみにこちらは昨年のそこまで言って 検証委員会の記事です。社外委員は土肥氏以外の田久保氏・葛西氏・残間氏の3名。社内委員は東京編集局長が斎藤勉氏、大阪編集局長が外山衆司氏です。この記事は(眺めに分割されて)4ページだけでした。今年の委員会でさんざん強調されている政権への批判などまったくありません

*1:いろいろあるんですけどね。「ソウルからヨボセヨ」の、身分証明書偽造事件に対して「米国に住むためそこまでやるか、と感動(?)した」というのは、取材ビザのまま韓国の大学で講義し出入国管理法違反で罰金処分になった黒田氏の言うことか、とか思いますが。

*2:新・週刊フジテレビ批評 - フジテレビ http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/ftvhihyo/index.html

*3: http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081211/trd0812111846008-n1.htm など。