黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経記者のデノミ分析。他。

 16日19時半ごろだと思われますが、本ブログのユニークアクセス数が、記録しはじめてから70万ヒットに達しました。最初から記録しているページビューももうじき300万といったところで、ひとえに皆様のおかげです。心より感謝いたします。あいかわらずだらだらですが、これからもよろしくお願いします。
 というめでたい日にさぼってしまったわけですが(汗)、16日分中心に。

普天間問題 迷走のあげ句先送りとは - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/336175/
来年の安全保障条約改定50周年に合わせ、両国の基盤を話し合う機会を失うことになれば、日米関係は致命的な打撃を受ける。

 16日「主張」ですが、カルト信仰と被害妄想は結びつきやすいとはいえ、日米同盟教もたいがいにしろと。50周年はひとつの節目ではありますが、その機会にしか話し合いができない性質のものではないでしょう。
 あまり関係ないのですが子供のころ、60年安保の騒動のあと、70年の安保条約延長も大きな騒ぎになったことを知って、80年にも自動延長だ反対だという騒ぎになるのかと思っていたらまったくそんな話はなく、肩すかしのように感じた記憶があります。そのへんがどうなっているのか実は今もよくわかっていないのですが、10年ごとの*0年6月に毎回、延長するかどうかを決める仕組みになっていたらどうだっただろう、と思っています。
 日米安保条約は片務的ではありますが、不平等条約ではありません。つまり、軍事行動や基地提供について同じ義務を背負うわけではなくても、それが相互の利益になるという認識で結ばれ、継続されている条約です。「対応が不満なら軍事行動をしないぞ」という脅しが成立するなら、「対応が不満なら基地提供をしないぞ」という脅しも成立し、それこそ地政学的に、大陸中国北朝鮮を大きく囲い込み台湾島に接する日本列島弧・琉球列島弧から基地を失って、まあどのぐらい米国が困るのかは知りませんが。日本国から見て基地提供は人質的な意味合いもあることも認識し、相互取引の材料とすることで、日米関係は「対等」になると同時に、より「緊密」であらねばならなくなります。相手のいうことを諾々と聞き思考停止していればよかった時代があり、あるいは今でも思考停止していればなんとかなるのだとしても、それがすべてだという認識を他人に押しつけるのは恥知らずと言ってよいでしょうね。もっとも、この「対等」の認識でやっていくのは、方向性は正しいとしてもたいへんな外交的努力と知恵が必要とされる道筋で、閣僚間の連絡や意思統一もろくにできていないように見える現内閣にどこまでできるのか、という不安はありますが。

よみがえる「新竹取物語 1000年女王」 新聞連載から四半世紀、単行本21日発売 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/comic/335911/

 いやー、懐かしいですなあ。いっぺんも読んでも観てもいませんが。産経新聞に連載してフジテレビでアニメ化・劇場アニメ化され、大量のスポットCMで視聴者を劇場に誘導する手法の走りでしたが、「1000年(せんねん)女王じゃなく宣伝(せんでん)女王」なんて言われたりもしていました。思えばあのころから、フジサンケイグループがいろんな意味でおかしくなっていったように思います。CIとして、あのおそろしく下品な落書き 目玉マークを採用したころですね。……てことは、わたしは四半世紀前からフジサンケイグループが大嫌いだったんだな。真の面白さに気づいたのは、つい最近のことですが。

北朝鮮デノミで米研究者「インフレ対策でなく独裁強化が目的」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/335629/

北のデノミ、反体制暴動の導火線になるか? - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/332678/

 北朝鮮で12月7日から実施されたデノミに関して、上は14日付で古森義久氏が、ピーターソン国際経済研究所のマーカス・ノーランド研究員によるレポートを紹介した記事、下は6日付の産経新聞久保田るり子記者によるレポートです。いずれも北朝鮮国内を直接取材したわけではなく、伝聞情報をまとめて執筆者の分析を加えたもので情報の質は同等と言ってよく、情報量ももちろんタイミングも久保田記事の方が優れています。元ののーランドレポートがいかに優れていたとしても、それを産経の紙面で抄訳紹介しただけの古森記事はまったく意味がありません。
 ネット時代には「誰が言ったかではなにを言ったかが重要だ」とはよく指摘されるところですが、しばらく前にもネットの匿名言説に憤激していた古森記者にとっては、それとは逆に「誰が言ったか」がなにより重要なのでしょうね*1。さらに具体的に言えば、「米国人が言ったか、その他の国の人(日本人、同僚記者含む)が言ったか」が。

伊勢新聞も熱い。

伊勢新聞嘱託記者が町会議長に、兼務に疑問も : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091203-OYT1T00551.htm

紀北町:現役の新聞記者が町議会議長に /三重 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/mie/news/20091203ddlk24010350000c.html

 いずれも3日付の記事ですが、たまたま見つけたのでメモしておきます。体制べったりの産経新聞の記者ですら、選挙に出るときには退社するのにねえ。たとえば、民社党から衆院選に出馬した山谷えり子リビング新聞編集長とか、長野県知事選挙に出馬表明した花岡信昭論説副委員長(肩書きはいずれも当時)とか。なお、二人とも落選または出馬中止の後、リビング新聞編集長や客員編集委員に復帰しています。
 ちなみに、産経新聞はこのニュースを報じていません。伊勢新聞というと、地方紙のなかでも最右翼の、日本の一般紙としては最右翼という印象があります*2


 ……というメモだけのつもりだったのですが、16日になって意外な展開になってしまいました。

白夜の村: 君、国を売りたまうことなかれ
http://gpm.seesaa.net/article/20248319.html

 2006年7月の伊勢新聞社説で、「君、国を売りたまうことなかれ」という名フレーズが生み出されたのだそうです。これはネット上で右翼的な言説を展開する人々の口に膾炙し続け、ついにこんな人まで(おそらく出典を知らずに)引用するようになってしまいました。

「君、国売りたまうことなかれ」安倍氏が小沢氏批判 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/336332/

衆議院議員 安倍晋三 公式サイト 〔メールマガジン2009年12月16日〕
http://www.s-abe.or.jp/mailmagazine/1268

 どうでもいいんですが、与謝野馨氏と安倍晋三氏って親しかったっけ、とふと思って確認したら、安倍改造内閣では与謝野氏が官房長官だったんですね。すっかり忘れていました。実質半月しかなかった内閣でしたから。

*1:同じ内容でも、ネトウヨが言うのと元首相が言うのでは意味が違う、という場合はありますが、これはその人物評に関わる問題なのでまた別の話です。

*2:伊勢新聞 - 論壇 http://www.isenp.co.jp/rondan/rondan329.htm