黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」は理解してるのだろうか。他。

鳩山家資金提供 「脱法行為」自覚あるのか 検察の徹底解明を求めたい - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/331764/

 こぼしていましたが4日付「主張」は、2本分のスペースを使って、じっくりとこの問題を追求しています。鳩山由紀夫首相と民主党の責任が追及されるのは当然ですが、見出しの「鳩山家」を見たときには、ひとつの期待をしていました。しかし、鳩山邦夫代議士への資金提供については「母親からの資金提供は、首相の弟の鳩山邦夫総務相に対しても行われている。」の一文だけで、非難することもなければ責任を問うこともなく、さらに自民党の自の字も出てきません。現在は由紀夫氏が首相という重い地位にいるのは確かですが、母親から資金提供を受けていた時期の大半は、由紀夫氏がただの野党幹部だったのに対し、邦夫氏は法相や総務相などの重責を担っていたのですが。

【主張】郵政株式凍結 次は貯金残高縮小めざせ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/332344/
 こうした郵貯のゆがみを是正するには残高の大幅縮小しかあるまい。新規預入限度額を現行の「1人あたり原則1000万円」から引き下げるべきだ。
 民業を圧迫する巨大な公的金融を縮小させることこそが、郵政改革の核心なのである。

 こちらは5日分。公社か民間かを問わず、問題の本質が郵貯簡保の巨大さにあることは、ようやく産経にも理解できたようです。小泉政権による郵政民営化案に多くの有権者が熱狂的に賛成しましたが、考えてみれば、民営化でこの巨大さの問題が解決するのかどうか、まるでわかりません。2009年衆院選の前、「2005年衆院選郵政選挙)のとき、民主党は民営化に反対していた。社会主義だからだ」という批判を見かけましたが、当時から民主党の主張は、形だけの民営化よりも郵貯の規模縮小を最優先することでした*1。民間の銀行に規模縮小を命じたら、それこそ社会主義的な護送船団方式ですが、国有であればどうにでもなるわけです。しかしこの「主張」全体は、そうしたことも考えずただ民営化ありきの論調で、上記の問題をどうとらえているのか、さっぱり見えてきませんね。

産経抄】12月5日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/332309/

民主政治は「パンとサーカス」 八木秀次氏 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/331219/

 古代ローマで政治への関心を市民から失わせるために行われた「パンとサーカス」政策は、民主党政治の子供手当事業仕分け作業そのものだ、と、千葉「正論」懇話会で八木秀次高崎経済大学教授が批判したのだそうです。よくまあこれだけ的外れな比喩を思いつくもんだと、八木氏の発想力の豊かさに感心してしまいました。どうでもいいけど、その発言を報じるしたの記事の見出しが、「民主党政治」ではなく「民主政治」となっているあたり、八木氏の意図と無関係にたいへん的確なものになっているようにも思えます。偶然でしょうけど。
 「パンとサーカス」は衆愚政治への警告として解釈されるのが一般的で、どれが「パン」でどれが「サーカス」ということはあまり言われません。せいぜい、経済的繁栄と俗悪な娯楽を許容する社会的風潮と解釈されるぐらいです。政治への関心を失わせるための政策だ、と八木氏は言いますが、少なくとも事業仕分けは国民の政治や予算編成への関心を大いに高める効果がありました。また、「パンとサーカス」が不十分になったために、市民が政治に不満を持ち暴動を起こした例が、長いローマ帝国の歴史には無数にあります。市民に不満を持たせず政治に矛先を向けさせないことが「パンとサーカス」の目的でしたが、市民の不満抑制を目的としない政治、少なくとも民主主義体制の政治があるでしょうか。そして、「パンとサーカス」を保つことで、東ローマ帝国は千年の長きにわたり命脈を保ちました。それが良かったか悪かったかはともかく、ローマ帝国が滅びたのは少なくとも、「パンとサーカス」を国家が提供して衆愚政治に陥ったからではありません。
 で、この八木氏の講演を「産経抄」が絶賛しているわけですが、身内褒めもたいがいにしてほしいものです。普天間問題での鳩山政権のドタバタ劇も同じようにサーカス扱いしていますが、繋ぎ方が飛躍しすぎてついていけません。コラムというよりはアジビラのような内容で、これを印刷して大量ポスティングする人が現れそうで不安です。


 ふと気になったのですが、八木氏は日本教育再生機構理事長という肩書きを持ち、高崎経済大学では憲法学を教えているわけですが、講演内容が憲法とも教育とも関係なさそうなんですね。自民党政権がまだ安泰だった時代は「教育再生推進!」を軸に講演していたように記憶しているのですが、もうそれは言わなくていいのでしょうか。民主党批判するにしても、民主党の教育政策はいかん、てな話になるのが普通だろうと思うのですが、民主党全体への批判しかしていないんですね? 

Attention。

在日特権を許さない市民の会 - ニュース
告知 : 12・12対馬遠征決定!対馬が危ない! 【最新情報/12月4日情報一部修正】
http://www.zaitokukai.com/modules/news/article.php?storyid=290

 産経とは関係ありませんが(たぶん)、たまたま見つけたので黙っているわけにもいかず。
 つい先日も通行人を問答無用で袋叩きにし、その動画を自慢げに公開していた団体*2が、今月12日から13日にかけて、また対馬襲撃を計画しているようです。地元の皆様と、特に当日現地を観光される皆様は、十二分な警戒をお忘れなく。なお彼らは、昨年10月11日(産経新聞による「対馬が危ない!」キャンペーン開始の10日前)・12日にも、対馬で街宣と称して住民や観光客に暴力寸前の威嚇行動を行っています。ぐぐればいくらでも出てきますが、たとえば http://www.youtube.com/watch?v=BaLb3zy7P6s など。

*1:民主党マニフェスト2005年 http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/images/Manifesto_2005.pdf の8。ただし、同2009ではこの点は明言されていません。

*2: d:id:pr3:20090927:1254063946 参照。