産経「主張」の特殊な発想。他。

アフガン新戦略　日本は同盟協力再検討を - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/331368/

　こぼしていましたが3日付「主張」。アフガニスタンとパキスタンの和平・安定は国際社会全体の課題です。各国の協力体制を、本来なら国連あたりが仕切るべきなのですが、（当事者でもある）米国が仕切るというなら、それはそれでいいでしょう。「仕切る」とはどういうことかというと、この国はこのぐらいの規模でこういう協力をする、あの国はこのくらいの、という、意思と能力を見計らって、適切な分担を決めることです。日本国には海外で軍事行動をする能力がないのですから（物理的な能力ではなく合法的に行動する能力がありません）、民生支援で金額はこれだけ、という方法しかなく、オバマ米大統領も納得してくれたわけで、少なくともこの件に関して、日米同盟がどうのこうのという話にはなりません。また、アフガン支援の方針は日本国が日本国として決断すべきで、「米国がこう言っている」というのは参考意見にはなっても、それを絶対視するのは一部の特殊な宗教家の発想ではないでしょうか。いや、こうした固定観念は戦後を通して多くの日本人に浸透してしまっているのも事実ですが。

理解に苦しむ…　仕分け人が殺した防衛基盤 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/331769/

　潮匡人氏のコラム「40×40」です。MSN産経ニュースでは昨日の朝刊の時間帯よりやや遅く配信されていたのですが、イザ！ではなぜか今日の朝刊コラムとほぼ同時でした。たぶん本来は夕刊掲載で、近畿圏のごく一部でしか夕刊を出していない全国紙としては、全国（全世界）に配信される電子版での扱いをどうすればいいのか、迷うところがあるのでしょう。
　自衛隊出身がご自慢の潮氏は、防衛省が要求していた自衛官増員が事業仕分けであっさり切られたことが、たいへんご不満のようです。海上自衛隊はソマリア沖海賊対策に派遣されているから増員が必要だ、航空自衛隊は北朝鮮の脅威に対するミサイル防衛システムのための人員が必要だ、というのですが、仮にそれを認めても、陸上自衛隊は増員する必要あるんですかね？　ていうかそもそも、陸自って必要？　少なくとも、ソ連が北海道に上陸してくる可能性はもうありませんよ？　また、何度も指摘していますが、海賊対策は海上保安庁の仕事であって、勝手に海自の仕事にして勝手に人が足りないと騒いだところで、通りませんよそれは。まったく、潮氏の主張は理解に苦しみます。

首相は「日本の盧武鉉」と米国　社民党に引きずられ同盟に亀裂 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/332094/

　たった一人の発言を大きく取り上げて米国の意見を代表するかのように記事にするのは、古森義久氏の得意技ですが、やはり阿比留類記者も古森氏の後輩ですねぇ。そして、この話を語った日本人が安倍晋三氏一人だけらしいというのがもっとすごい話で、これはさすがに阿比留記者の独壇場でしょう。
　ついでに、前回（参議院）選挙で単独過半数を取れなかったので連立政権を組み、少数党の意見が政策に反映されるというのは、国内事情といえば国内事情ですが、複数政党制を取っている国ではどこにでもある、国際的にも通用する話です。