黙然日記(廃墟)

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産経抄、手のひらを返す。他。

産経抄】11月28日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/329597/

 「目先の効果の有無だけで科学技術費が減額や見直しとされる」と言っていますが、今回の事業仕分けにそういうところはありましたっけ。いや、数が多いのでわたしが知らないところでそういう議論もあったのかもしれませんが。それってもともと、小泉改革など新自由主義政策の弊害でしたよねえ。GXロケットに関して言えば、短期的に(というかたぶん永久に)金銭面で回収はできないプロジェクトに関して、新自由主義政策をくぐり抜けるために「外国に売れる」と適当な見通しを述べていたものを*1、どうやら売れる見通しはないという点を今回指摘されたわけです。京速計算機にしても、投資を回収できるのかという点は仕分けではほとんど問題にされていません。「世界一」という適当な見通しにこだわった部分を否定されたわけです。
 産経抄もアレですが、同じような誤解、事業仕分け新自由主義の延長という認識に基づいた批判が、実はかなり多いのではないでしょうか。ずっと新自由主義を批判してきた人がそれを言うならまだいいのですが、さんざん持ち上げてきた産経がなにをいまさら手のひらを返しているんだか。

米中の削減目標 「効果は疑問」日本が突出 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/329598/

 疑問といえば疑問なので、二大国にはやはり25%ぐらいの数字を出してほしかったところですが、いちおうかなりの削減目標まで譲歩してきたことは収穫でしょう。文中でも触れられているように、他の主要国の参加を前提に鳩山首相は25%案をぶち上げ、その効果がもしかしたら多少はあった、ということですから、国際政治の駆け引きとしては合格点でしょう。なにが不満なのでしょうか。

【土・日曜日に書く】論説委員・皿木喜久 「支持率政治」からの脱却を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091128/plc0911280313004-n1.htm

 鳩山首相は支持率低下をおそれずに(つまり国民の声を聞かずに)、国益に沿った(つまり産経の主張に沿った)政策を実行しろ、その結果として人気が落ちたら、二大政党の一方に政権を譲れ、だそうです。麻生政権のころも似たようなことを言っていて、その結果として政権交代が実現しましたから、まあある意味で首尾一貫していてよいですね。

千葉法相、「反日集会」に祝電 参院議員として送った - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/329303/

 この記事についてはGazing at the Celestial Blue の碧猫さんが「『産経の感覚は独創的』 パート8;「下野なう」満喫中」で触れていらっしゃいます*2。ツッコミを全部先に取られてしまってやりづらいのですが(笑)、とりあえず言わねばならないのは、「反日集会」という表現の独創性と、統一協会の集会に祝電を送るよりはどう考えてもマシという点でしょうね。

*1:じゃあ適当な見通しを立てなければよかったのか、というと、それならとっくに廃止されていたわけで、どうすればよかったのかは何とも言えませんが。GX開発には金銭だけで測れない価値があることは強調しておきます。

*2:他に、bogusnewsでも報じられています。 http://bogusne.ws/article/134085082.html