黙然日記(廃墟)

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産経、的をはずす。

産経抄】10月21日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/315175/
日本はいつから社会主義国になったのか。

 と、冒頭いきなりこれです。日本国は基本的には資本主義体制をとっており、株式会社の経営者は株主の意向に従います。株主の間で意見が割れていればともかく、総意がまとまって社長解任必至となれば、株主総会を待って諾々と解任を受け入れるか、先回りして自ら辞任するしか道はありません*1。蛇足を描きますが、日本郵政株式会社の株式は日本国政府が100%保有しています。

郵政新社長 「脱官僚」の看板は偽りか - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/315675/

 日本郵政の社長交代に関連して、22日付「主張」は、新社長に元大蔵次官で東京金融取引所社長の斎藤次郎氏が内定したことについて、いろいろ批判しています。昨年の日銀総裁人事のときは官僚OBという理由で反対したではないか、という指摘は、そう言われればそうなのかなあ、と思ってしまいます。しかし、財務省から5年間ずっと日銀にいた武藤敏郎氏と、いちおうは民間会社で*28年間トップを務めている斎藤氏の違いはあります。「民間企業の経営手腕については未知数だ」という産経の指摘は、株式会社東京金融取引所に対して、なかなか失礼な言い草ではないでしょうか。
 で、これは官僚OBの起用ではありますが、天下り人事ではありません。天下りとは、その省庁が担当していた関連邦人や民間企業にOBが就職することを指します。大蔵省は金融行政を管轄していましたが、郵貯簡保にはノータッチでした(というか手を出せませんでした)。それでも隣接分野には違いないし、一般的にこの状況で官僚OBの起用ってどうなのよ、と鳩山内閣にツッコみたくはありますが、産経の指摘がまるで的はずれなのも確かでしょう。

*1:裁判に持ち込む道とかがあるのかもしれまんが、とりあえずここでは関係ないですね。

*2:東京金融取引所がどのぐらい民間といえるのかはわかりませんが。まあ、資本主義の真っ直中ではあるでしょうね。