産経の報道姿勢に賛否両論。他。
バラク・オバマ米国大統領のノーベル賞受賞に、心からお祝いを申し上げます。これを機に、核廃絶と平和への取り組みがいっそう進展すること、また実現への周囲の姿勢も協力的なものになることを期待しています。
さて、9日22時26分ごろにおける産経のニュースサイト・イザの、検索結果のWeb魚拓を取っておきました。ページの真ん中らへんを見ていただきたいのですが、18時11分にオバマ大統領受賞の第一報。そして次の関連記事は19時50分ごろのものです。
ノーベル賞 オバマ大統領の平和賞にネット上で賛否両論 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/310927/
２ちゃんねる（ニュース速報+板）、twitter、mixi、総合情報サイト「イザ」（笑）、Wikipedia、Youtubeと、まあひととおりは押さえているわけですが（読み始めた当初は、２ちゃんねるの反応だけで済ませる気かとはらはらしましたよ）、他に出す記事はなかったんですか。さらに、次が「〔過去の〕主な受賞者」はいいとして、その次が論評記事でも鳩山首相のコメントでもなく、ものまね芸人のコメントって……*1。サンスポじゃないですよ、産経新聞の記事ですよ。
岡田外相 心配な村山談話の絶対視 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/310724/
村山談話を行動的に継承するという岡田外相の発言を、「極めて危うい考え方である。」と、ものすごい表現で諫めています。軍備強化や歴史修正主義に対して、しんぶん赤旗がよく使う表現のような気がします。「当時の村山内閣の姿勢を表明した談話にすぎない」といっても、歴代内閣（安倍晋三内閣含む）が受け継いできたものですし。閣僚や政府高官*2の村山談話に反する発言を禁じているのは言論統制だ、と息巻いていますが、そういうのは政府の外に出てから思う存分やればいいのであって、その人物が政府機関を構成する一部として責任を持つというのなら、政府の方針には従わなくてはなりません。
さらに「主張」はこの際とばかり、岡田外相の過去の発言、共通教科書や歴史共同研究、東アジア共同体への米国参加、核先制不使用宣言まで、ここぞとばかりに蒸し返しているのは、なかなか壮観です。そういえば薩摩芋の新芋が出回る季節ですが、いまどきのお芋は蒸かしたても冷めてもおいしいので、わざわざ頭から立てた湯気で蒸し返したってただの無駄ですよ。
【主張】新政府税調 消費税の議論も忘れるな - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091009/stt0910090326002-n1.htm
給付付き税額控除について、これを採用している国のほとんどは生活保護制度がないと指摘したあと、モラルハザードを招きかねない、と批判していますが、よくわかりません。「安い給料で働くより生活保護を受けた方がいい」というのはモラルハザードでしょうが、実質的に給料を増やし「ちょっとでも働いた方がマシ」という環境になるのなら、むしろモラリスティックな効果が期待できるのではないでしょうか。ここんとこ、マジでわかりません。
で、例によって消費税の増税論です。民主党の財政政策は、基本的には無駄遣い排除で捻出した財源に頼るというものですが、それが無理で増税が必要になった場合も、消費税以外の増税でなんとかなる、という見通しがあったから、消費税凍結をあれだけ明確に打ち出したのだと考えるべきでしょう。産経はどうしても、所得税・法人税増税という考え方があること自体に触れたくないようですが。
