黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の暢気。他。

亀井担当相発言 首相はなぜ撤回求めない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/310301/

 8日付「主張」は、亀井静香大臣の発言になにやら文句をつけています。亀井氏の発言はいろいろ問題にされているので、どの発言のことかと思いましたが、ここでは「家族間の殺人が増えている責任は大企業にある」のことだそうです。乱暴な物言いであるのは確かで、家族間の殺人はもともと非常に多いとか*1、すべてに貧困が背景にあるわけではないということは指摘されねばなりませんが、生活苦による無理心中(未遂)は自殺と並ぶ大きな社会問題であり、これがまさに「凄惨な家族間殺人」であることは忘れてはなりません。産経は例によって教育がどうたら暢気なことを述べていますが、想像力がいささか足りないのではないでしょうか。問題発言であるにしても、「単一民族国家」だの「神の国」だのに比べたら、政治家としてまともなものではありませんか。

【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦 「冷めた政変」に戸惑う海外論評 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091008/stt0910080228000-n1.htm

 8日付「正論。岡崎氏自身には政権交代の意味がよくわからない(らいし)ので、海外というかほとんど英米だけですが、それらの論評を適当につまみ食いして紹介しています。これはこれで興味深いコラムにはなっています。某記者なども、この手野海外情報紹介だけに徹していれば恥辱の殿堂なんかに入れられずに済んだのにねえ。
 岡崎氏に代わって少し私見を述べておきます。総選挙直後になにかで読んだ、投票日前の自民党候補の発言として引用されていた表現が印象に残っています。「今回の選挙は強い風が吹いたわけではない。被害をもたらしたのは台風ではなく地震だ。地形そのものが変わってしまった」。風は吹いていないので、熱狂もありません。自民党側から見れば天災という表現になるでしょうが他には別に被害もなく、緩やかに地形が変動して、あたりまえの結果として政権交代に至った、としか言えません。もうここ1年ぐらい、大半の国民が「自民党政権はもう終わるんだな」と静かに認識し続けていた、その結果なのです。

*1:殺人事件が起きると、警察はまず「物盗り」「怨恨」「痴情のもつれ」を疑うそうです。「物盗り」は別にして、「元内縁の夫婦」などまで含めれば「家族」が関わる殺人が多いことは、これだけでもわかります。もちろん、統計などからも明らかなので、興味のある方はぐぐるなりしてみてください。