黙然日記(廃墟)

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産経「正論」、単位を落とす。他。

メディアが作る現代「王様殺し」 イケニエの候補者の目印 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/307661/

 1日付「正論」です。うわぁ、やっちゃったな。というのが第一印象でした。柳田国男の一つ目小僧論からフレイザー金枝篇』の偽王に続き、「アイドル」の語源を説明しながら、アイドルタレントの起こした事件に大騒ぎするワイドショーマスコミへの批判、と説明すれば、あるていどの読書体験を持つ人なら、たいてい内容は想像できるでしょう。最後にとってつけたような政治への警鐘があるのも、お茶目ですね。「のりP」「民主党」といった固有名詞を出さないことで時代性を排除したつもりかもしれませんが、それがかえって、40年前に筒井康隆氏が(当時もその後も無数の人が)書いてしまっているような、ありふれたマスコミ批判そのものになっています。
 大学生のリポートなら、まずコピペを疑われるレベルです。この加藤秀俊氏の「正論」がなにかのカーボンコピーだと言っているわけではありませんが、内容的には引き写しといって差し支えないレベルでしょう。

夫婦別姓 家族の絆を壊しかねない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/307663/

 1日付「主張」には、これもあまりにありふれた批判で申し訳ないですが、この一言で十分でしょう。「中国や韓国では大昔から家族の絆が壊れているのか?」。

中国建国60周年 開かれた大国へ民主化を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/307664/

 中華人民共和国にはとにかく批判というスタンスを保ち続けている産経新聞が、10月1日建国60年の節目に掲げた「正論」です。そういうわけで前半はいつものアレだからいいのですが、後半の一党独裁批判が面白すぎますね。経済危機への対応には優れていたが国内では格差が拡大し官僚への不満、少数民族は弾圧され*1、「権力エリートが支配する政治体制へ批判」が高まっているのに、党は国家意識を強調し(軍事国家化を推進し)、国際社会の警戒心を招いている……。中国共産党に対するこれらの指摘は、たしかに正当でしょう。
 ところで、さっきうっかり、「中華自民共和国」とミスタイプしてしまったのは内緒にしておきます(笑)。

八ツ場ダム 前原さん、冷静に考えて - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/308095/
しかし政府としていったん約束した政策が、いかに政権が交代したからといって一夜で変わるのでは、そもそも政府方針への国民の信頼は得られなくなる。〔中略〕
しかし、選挙公約に載せたことだから問答無用だというのでは、「国民の生活が第一」を主張してきた民主党の基本姿勢すら疑われかねない。

 2日付「主張」ですが、ごめんなさい。なに言ってるんだかぜんぜんわかりません。政府というのがそもそもなんなのかから話を始めないといけないのでしょうか。マニフェストに載せたから問答無用という態度に疑問があるとしても、なんでそれが国民生活優先に反するのでしょうか。産経は前原国交相の姿勢を「初めに「結論ありき」」と批判していますが、この「主張」こそ「中止反対」*2という結論ありきで話を進めようとするから、こんなおかしなことになってしまったのではないですか。

*1:産経的には「日本国は単一民族国家」かもしれませんが。

*2:「建設推進」ではなさそうですが。