黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」、正体を現す。他。

自民党新執行部 一丸で党改革に取り組め - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/307215/

 30日付「主張」です。このブログでは自民党新体制の話題が3日連続になってしまいますが、産経が熱心に取り上げているのでしかたありません。この人事で注目されるのは、最大派閥として隆盛を誇った町村派からの起用がなかったことでしょう。党内で非主流に甘んじていた宏池会による清和会への報復人事と見ることもできますが、谷垣総裁は「力量のある方というのが一番のポイント」と説明していて、これは当然だろうと思われます。とすると、つまり町村派に力量のある人材はいないということですよね。自民党でも特に町村派清和会にべったりだった産経新聞*1としての感想を知りたかったのですが。

長崎市長射殺判決 死刑回避は妥当な判断か - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/307200/

 裁判員制度が始まったからといって、死刑判決の基準を変える必要があるのでしょうか。

民主党政権発足 「官僚依存の脱官僚」では困る - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/307201/

 竹中平蔵・元大臣・元参院議員による「正論」です。まずここから引用しましょうか。「自民党政権とりわけ麻生政権においては、極端な官僚依存の政策が行われた。」。繰り返しますが、竹中平蔵・元経済財政政策担当大臣・元金融担当大臣・元総務大臣・元自民党参議院議員による「正論」です。小泉純一郎内閣の中枢を担った自民党の政治家が、どの面下げてこういうことを言うのでしょうか。小泉内閣の掲げた政策には官僚改革も含まれていたと思いますが、なにも改革できないままその座を去っていった内閣の閣僚が。

 この人の面の皮の厚さをいくら測定してもきりがないというか底知れないので(「正論」メンバーはほとんどがそうですけどね)、話を先に進めましょう。鳩山内閣の、郵政民営化見直しの方針には疑問もありますが、竹中氏がそれを指摘しても眉につばをつけて聞かなくてはなりません。そして、民主連立政権にも「族議員」がいる、「業界」の利益のため「官僚」経由で癒着して利権をあさる「族議員」がいるかぎり改革はできない、というのですが、この「業界」は、どうやら労働組合(特に日教組)のことを指しているようです。自民党政権、特に小泉・竹中政権時代に利益を享受した「業界」は、たとえば億単位の報酬を得る金融マンたちでしたが、それよりは、一般の労働者が参加する労働組合の利益を図ったほうが、「国民の利益」には資するのではないですか。そうした経済政策が、(「脱官僚」の不徹底とともに)自民党政権が見限られた大きな原因であることは、これはずっと指摘されていることです。
 小泉・竹中改革の正体が、労働組合と労働者いじめでしかなかったことが、この竹中「正論」で明確にされた、と言っていいと思います。
 見出しの「官僚依存の脱官僚」とは、年内に予算編成をするために財務省の力を借りざるを得ないだろう、それでは意味がない、ということらしいのですが、単なる決めつけをもとにしたシャドーボクシングで、論評するにも値しません。鳩山内閣の経済政策で今のところいちばん不安なのは、急激な円高を容認している点ですが(個人的には嬉しいんですが、影響がどこまで出るかわからないので)、そういう懸念はこの経済学者にはないんでしょうかね。

*1:正確には、“真正保守”議員が清和会に多く、産経は彼らにべったりだったため結果的に清和会支持になった、とするべきでしょうが。