黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、分裂する。

谷垣新総裁 生まれ変わる姿を見せよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/306764/

 またタグを付け忘れていますが、29日付「主張」です。総選挙からほぼ1ヶ月を経て、ようやく「野党自民党」を受け容れられたのかな、という印象です。しかし産経新聞がこの立場になると、与党政府の方針に異を唱え、野党への側面支援をするという普通のジャーナリズムになってしまう虞れがあります。いや、いいことなんですが、ウォッチの対象としては物足りません。
 けれども安心してください、そこは我らが産経です(笑)。「保守層の期待に応える政治」という谷垣氏の方針を「憲法改正集団的自衛権行使のための憲法解釈変更などの具体論に踏み込む必要がある」と自動的にすり替える手腕は、きっちりと健在です。しかしこうしてみると、55年体制自民党宏池会が主流派を形成していた時代には、産経新聞はいったいどんなスタンスだったのか、という疑問もわいてきますねえ(今ほど過激な“真正保守”ではなかったのでしょうが)。縮刷版があれば調べてみたいところです。

ドイツ総選挙 注視したい保守への流れ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/306765/
首相就任当初、経験不足を懸念する声もあったが、実際には労組を支持基盤としてきた社民党と政策面で妥協するしたたかな政権運営を続けた。

 と思ったら、もう一本の「主張」はこんな感じでした。引用部分はちょっと面白すぎたのでわざとこう切り抜いてみましたが、4年前に成立した左右連立政権で就任し今回も連立組み替えで続投する、キリスト教民主社会同盟のメルケル首相のことです。ドイツの現在の政治状況については勉強不足でよくわからないのですが、「社会民主党」「自由民主党」という名前だけ同じでも*1、日本の政治状況に簡単には当てはめられないのだろうとは思います。しかし、単に保守系連立政権が成立したからといって、産経は日本の自民党に、なにを学べと言っているのか、皆目わかりません。まだ大連立による政権復帰に未練があるとしたら、もう1本の「主張」での覚悟が台無しですねえ。

*1:ロシアの「自由民主党」は、例のジリノフスキー氏の極右政党ですしね。日本の「自由民主党」も下手をするとそちらの友党になっていた可能性がありましたが。