黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、主張する。他。

どんな人物か「判ら内閣」とすぎやま氏 識者の鳩山内閣ネーミング - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/302744/

 コメント欄でElekt_raさんもツッコんでいらっしゃいましたが、なんとも脱力するような記事が出ています。今回の衆議院解散時にネーミングを求めた識者の皆様方に、こんどは新内閣の命名を求める記事です。いちおう紹介しておくと、櫻井よしこ氏は「無策解散」「小が大をのみ込む内閣」、屋山太郎氏は「バカヤローの解散」「脱官僚内閣」、やくみつる氏は「おくりびと解散」「ぞうきん掛け内閣」、すぎやまこういち氏は「落とし穴解散」「判ら内閣」でした。やく氏はあまり好きではないのですが、ちゃんと面白い(と思われる)ことを言っているのがえらいですね。屋山氏は新内閣に期待しているのはともかく、解散の命名は見事なのに新内閣への命名があまりにつまらなくてびっくりしました。つまらないといえば、櫻井氏の言語センスの悪さにもびっくりです。
 しかしやはり白眉はすぎやま大先生で、「反日メディアの掘った落とし穴」からという解散のネーミングもですが、新内閣の目指す日本の針路が(大先生には)判らないというのはともかく、あれだけテレビに出まくっている論客をそろえた閣僚陣に「どんな人物かもよく判(わか)らない」って、いったいいままで、政治報道のどこを見て政治的な発言を繰り返していたのでしょうか。「反日メディア」なんか絶対見ないよ、てなことなのかしらん。

【正論】民主党政権発足に寄せて 政治評論家・屋山太郎 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/302861/

 そのヒネリのないことを言う屋山氏が、今日の「正論」欄に登場しています。ヒネリもなにもない、ごくまっとうな文字通りの“正論”なので、特に記録しておきます。

【主張】鳩山新内閣 国益最優先に針路とれ 現実直視し公約修正も必要 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/302862/

 そして今日の「主張」も、主張しています。
 日本国が国民主権国家である以上、国益と国民の利益は一致します。少なくともこの「主張」が見出しで述べている外交・安全分野については、完全に一致します。主権者国民の利益になることがすなわち国益であって、それに反することは国益にはなりません。「国民の利益と独立した国益」なるものは、どこにも存在しないのです。
 2009年9月、現憲法下ではじめての本格的な政権交代を受けての新聞社社説は、各紙の政治的な立ち位置を最も明確にするものと言って差し支えないでしょう。産経新聞社が政権批判の立場を明確にするのは、それがジャーナリズムとしての基本を思い出しての上ならば、たいへん結構なことです。しかし言っている内容は従来の野党民主党批判、さらに1950年の一般紙創刊以来数十年続けてきた野党批判、間接的な自民党擁護とまったく変わりがありません。まさにアンシャン・レジューム(旧体制)そのものの言説をここで主張することに、産経新聞の本質と、ここから先の限界を見た思いです。ウォッチャーとしてはそれも楽しいんですけどね。