黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」、どきどきする。他。

【単刀直言】中曽根康弘元首相「自民は世代交代を」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/300536/
〔今の自民〕党に必要な重しは、党内の重鎮と呼ばれる人よりも、ジャーナリズムや国民の鋭い目だ。

 10日付。中曽根氏がたいへんまともなことを言っているので、(失礼ながら)驚きました。今回の政権交代に関する自民党関係者の発言で、わたしがいままで見た中では、いちばんまともかもしれません。政界引退のいきさつがあったので、今の自民党には批判的なのかなあ、とも思いますが、自民党再生を期待する(および歴史修正主義を唱える)立場なのは当然として、現在の民主党にもかなり期待しているような発言が多いのです。引用した発言は、まったくの正論であると同時に、大勲位にしてみれば森元さんでも洟垂れ小僧なんだろうなあ、とちょっと笑ってしまいました。
 インタビュー記事だと思われますが一問一答にはなっておらず、特に最後の方は段落ごとにバラバラのテーマについて語っているあたり、どんな質問があったのかを想像してみると楽しいです。達観した中曽根氏と比較して、産経の興味がどの辺にあるのかを知ることができて。

【正論】公約通り拉致解決を最優先に 東京基督教大学教授・西岡力 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/300211/

 10日付。巣食う会 救う会副会長の西岡氏ですから、当然、鳩山政権に強硬策を求めており、そのへんはもう予想どおり過ぎてどうでもいいのですが。いったいどうやって「被害者はどこに抑留されているのか」を調べろと言っているのかわかりませんけれど。
 総選挙で「拉致問題がほとんど争点とならなかったことは残念だった」と述べた直後に、しかし民主党自民党マニフェストはいずれも拉致問題とその解決を重視する点で一致していたのは「今度の総選挙のよかった点だ」と書いているのは、選挙の争点というものがなんなのか、理解できているのでしょうか。

【正論】強大国支配になぜ気づかない 拓殖大学学長・渡辺利夫 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/300642/

 以下11日付。産経「正論」陣営でも、従米主義の筆頭格である(ついでに、ユニークな人事方針を持っている)渡辺学長の登場です。「ニューヨーク・タイムズ」に無断転載された鳩山由紀夫氏の文章を元に(「これが米国様の偉い人に見られちゃったらどうしよう、どきどき」という小心者っぷりはなかなか可愛いのですが)、鳩山氏ひいては民主党の方針を批判しています。
 まず、影響力が低下していく米国と逆に上昇していく中国の狭間に日本がある、というのが間違いなんだそうです。米国にしっかり従っているからというのが、渡辺氏の論拠です。たとえば、キューバが米国を無視していけるのか、東ドイツは西ドイツを無視していたか、それこそ地政学*1的に考えるべきでしょう。
 もう一点、東アジア共同体が幻影だというのは、わからなくもありません。実現にいたる道は険しく困難でしょう。経済の発展レベルの違いもあります(ついでですが、単に「発展段階」と書いてしまうと、おやこの人も転び右翼の元マルキストなのかな、と疑われますからやめた方がいいですよ)。しかしそこで「その非対称性のゆえに強大国による弱小国の支配が一層容易になる」というのは、これはなんのつもりでしょうか。中国が強大なのはいいとして、日本は弱小国ですか。ここでさきほどの「日米同盟があるから安心」論が、日本を米国の属国と考えていることが明らかになってしまいます。「正論」欄の執筆者は、日本を愛する保守主義者だけかと思っていたのですが、どうもわたしは勘違いしていたようですね。

産経新聞コラムに在日3世脱北者が抗議 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090911-OYT1T01025.htm

産経新聞:無断で発言を記事掲載 韓国の脱北者が抗議 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090912k0000m040099000c.html

【緯度経度】ウワサの北朝鮮社会 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/284932/ (ウェブ魚拓)

 そういうわけなんでメモ&魚拓しておきます*2。コラムは8月1日付で、著者は黒田勝弘・ソウル支局長。また問題起こしたのか。

*1:渡辺氏は7月13日の「正論」でこの単語を持ち出していますが、忘れているのか別の意味で使っているのか……。 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/277232/

*2:プライバシーの侵害などと違い、該当の脱北者が総書記批判発言をしたことが公に報じられた時点で、被害を受けてしまっていると思われるので、記事そのものを保存することは問題ないと考えます。