黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」が泣ける。他。

【正論】何ものかの「遺臣」であること 文芸批評家、都留文科大学教授 新保祐司 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/298872/

 具体的なことはなにも書いていません。ただ、幕末の歴史に学べ、亡君の遺臣たらんとした西郷隆盛に学べ、滅びた幕府に忠誠を誓って新政府に仕えなかった栗本鋤雲に学べ、「「日本」を支えつづけるためには、何ものか偉大なるもの、美しいものの遺臣として自分を規定しなければならない。」と説いています。なんという泣かせる文章でしょう。あまりにも哀れで。
 どうでもいいけど、なんで産経周辺の人たちはやたらとNHK大河ドラマ篤姫』を絶賛するのでしょうね。

【鳩山政権考】「友愛」に立ちはだかる「憲法違反」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/299049/
■おことわり 鳩山政権の発足が確実となりましたので、本欄のタイトルは今回から「鳩山政権考」とします。

 というわけで、2006年秋のSANKEI EXPRESS創刊と同時に「安倍政権考」として始まったこのコラムも、四つめのタイトルに変わりました。なんでこんなめまぐるしいことになっちゃったんでしょうね。第1回の担当は今堀守通記者です。
 内容はといえば外国人地方参政権問題で、一発目からネトウヨ層のハートをがっちり掴もうという意欲満々ですね。日本国憲法第15条1項の規定があるかぎり参政権は日本国民に限定される、話なのですが、国家とは独立した存在である地方自治体の参政権は、このコラムが言うような国家統治の一部なのでしょうか。ていうか、そのへんの法理論をまったく通さずに(民主党に限らず公明党を先頭に各党で)国会審議にかけようとされていたのでしょうか。10年間無為のままで。
 10年間といえば、10年前の話をしていていきなり「4月24日、当時〜」という文章が出てくるので、てっきり10年前の4月だと思ったら実は今年の話になっていたってのは、あんまりでしょう。「今年」の2文字を入れるのがそんなに面倒でしたか。

【産経FNN世論調査】自民敗因は「党の体質」に? - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/299168/
〔次の参院選で〕59・1%が「民主党など新しい与党に勝たせたい」と回答。「自民党などに勝たせたい」とした人は33・0%だった。特に支持政党を持たないいわゆる無党派層では5割が「民主」、3割が「自民」と回答した。

 はいはーい。峯匡孝記者の署名記事ですが、算数ができない産経の体質を先に改善しましょうね。59%と5割、33%と3割の、どっちが多いか少ないかがわかっていたら、こういう記述にはならないはずなのですが。

【産経FNN世論調査】高速無料化賛成26%、「霞が関改革」が人気 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/299160/

 ついでに、こちらは小島優記者。高速無料化賛成が3割に満たなかったことと対比させて「「インド洋からの海上自衛隊からの撤収」に至っては「反対」が「賛成」を10ポイント近く上回る」と、わけのわからないところを強調しています。高速無料化は反対が賛成を42ポイント上回り、インド洋無料ガソリンスタンドの撤収は賛成が4割に満たない(36.4%)という数字から、どうしてこういう表現が出てくるのでしょうか。
 この調査で注目すべきは、「予算の編成や執行の見直し」に87.4%、「政治と官僚の関係の見直し」に87.5%の賛成が集まっている点で。少なくともわたしは、そしてかなり多くの人が、無駄な歳出や官僚依存政治の改革を期待していました。正直、9割近くまで支持されているとは思わなかったので驚きましたが、要するに今回の政権交代はそういうことだった、と言ってしまっていいと思います。
 他メディアはきちんとウォッチしていなかったのでわかりませんが、産経新聞はこの選挙期間中、「主張」欄や「正論」欄を通してひたすら、「民主党の公約はバラマキだけ」「国のあり方をどうするかのビジョンがない」と喧伝してきました。しかし実際には「無駄遣い排除」「官僚依存からの脱却」という明確なビジョンがあり、それが圧倒的に支持されていたことが、この調査で明らかにされてしまったわけです。*1

勝手に転載。

 昨日付エントリのコメント欄(あいかわらず放置モードで申し訳ないです)で、とらとらさんが興味深い考察をされていたので、勝手に転載させていただきます。(改行等を編集、ミスと思われる一部記述を修正しました)。

http://www.jimin.jp/jimin/jimin/rittou/index.html
<産経的保守原理主義
産経がさかんに主張する「保守」の定義について考えてみました。
先ず昭和30年に制定された自民党の立党宣言・綱領を読んでみます。
東西冷戦の最中で、戦争の傷跡も残り、主権を回復して間もない頃に制定されたものです。
反共主義・自主憲法の制定も記載されていますが、平和主義・議会主義・自由主義・人権の重視、福祉国家の実現という時代を超えた理念も掲げられています。
さらに太平洋戦争の反省から「左右全体主義」との対決という項目もあります。
また当時は中国はもちろん韓国とも国交がなかった時代でありながら、アジアの繁栄と善隣友好も謳いあげています。
注目するのは、自主憲法制定を唱えながらも国連憲章に基づく平和主義を掲げていることです。(国連憲章憲法前文の趣旨・精神は殆ど同じです)
 
産経的保守主義(保守原理主義)と合い通じるのは反共主義の他「占領下に不当に抑圧された国家観と愛国心」と「自主憲法制定」くらいでしょうか?
 
全体として戦前回帰的な復古的なスローガンは見当たらず、むしろ進歩主義を主張するなど、産経的保守原理主義とは相容れない部分が目立ちます。

*1:この調査関連の記事については、via http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1211746/ 。いやまさかあびるんのブログを参照することになるとは(笑)。官邸担当就任おめでとうございます、やっと左遷が解けましたね。