産経抄と「主張」、白昼夢を語る。他。

【産経抄】９月４日 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/297945/

【主張】東京五輪招致　夢の再現へ首相の出番だ - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/297946/

　「産経抄」は最期の演説が決め手だとし、連携して「主張」はそこで鳩山由紀夫新首相の出番ですよ、という、夢というか白昼夢を語っています。高度成長もバブルももう終わりました。新しい時代が来たことをまだわかっていないのか、わざと鳩山氏に汚れ役を押しつけようとしているのか。政治家ならどう考えたって、五輪招致に残りの政治生命を懸けている石原慎太郎都知事が担うべき役割でしょう。
　もうひとつ産経（および石原氏など）が勘違いしているのは、経済効果です。公共事業バラマキやらで一定の効果はあるでしょうが、それだけのことです。前回は東京五輪をやったから高度成長がもたらされたのではなくて（それなら5年前からギリシアは急成長を遂げているはずです）、高度成長中の国が開催したから成功したのです。日本ではブラジルの経済状況があまり伝わってこないのですが、BRICsの一員とされる新興経済大国が開催した方が、よほど意味があるだろうと思います。

【主張】日米電話会談　「同盟基軸」を行動で示せ - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/297948/

　産経としては当然のように、鳩山政権の対米姿勢、日米同盟への考え方に懸念を表明しているのですが、その根拠のひとつが、「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された鳩山氏の文章です。で、この件についてはこういう報道がありました。

鳩山論文、米通信社が省略して無許可転載か : 政治 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090903-OYT1T00973.htm

　この記事を勝手に要約すると（笑）、鳩山氏が「Voice」に執筆した文章を「Voice」編集部が勝手に海外通信社に売り、その通信社がさらに勝手にニューヨーク・タイムズに売り、それぞれの過程で勝手に要約されたものであって、本題ではない部分がクローズアップされている、というものです。さすが「Voice」、というのはともかく*1、裏をとらずに騒いでいた日本のメディアもどうなのかと。
　それはさておき、政権交代後も日本国は外交姿勢、特に対米姿勢をそのまま保つべきだという産経の主張は、いったいなにを根拠にしているのでしょうか。1年弱前、「米国がオバマ民主党に政権交代したら対日バッシングが起きる」などと真顔で言っていた新聞、少なくともそこの編集特別委員がいたような気がしますが。バッシングあるいは同盟否定という形になるかならないかはともかく、政権交代で外交姿勢が変わることそのものは、産経も当然の前提としていたんですよね。

[net]お知らせ。

　「コメントはいっさい拒否しない」という方針で運用してきましたが、さすがに耐えきれなくなってきたので、スパムコメント拒否設定を行いました。これで少しはサイドバーのコメント一覧が機能するようになるといいのですが。ただ、もしかしたら一部のコメント書き込みに不都合が生じるのかもしれません（この設定による副作用を完全には把握していません）。その際はメールなどでご連絡いただけると幸いです。

*1:ていうかこの時期にあんな雑誌に寄稿する鳩山氏も鳩山氏ですが……。