黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、本末を転倒する。他。

 大政変の予兆ともされる皆既日蝕が日本国内で見られた22日ですが(直接見ることはかないませんでしたが……)、テレビ中継で皆既中に現れた見事なプロミネンスが印象的でした。

【訃報】アニメーター金田伊功さん、心筋梗塞で死去 ※天空の城ラピュタ原画頭ほか
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1248246852/1-2

 57歳という若さでの訃報に、なんと言っていいのかわかりません。心より哀悼の意を表します。合掌
 つい昨日あたりだったと思うのですが、『絶対可憐チルドレン』をぱらぱら読みつつ、あ、この登場キャラたちを紹介するアニメーションを、テレビアニメのOP、たとえば『サイボーグ009(新)』や『ふしぎ遊戯』みたいにやったらかっこいいだろうなあ、なんてことをちょっと思ったのでした*1。その手の妄想はしょっちゅう浮かぶので、本当に偶然だろうと思うのですが、もちろんそのとき脳裏に浮かんだイメージは、金田さんの作画によるものでした。
 ある世代のアニメファンにとっては――ことさら作画マニアでなくても――金田さんの存在はたいへん大きなものでした。本当に、ありがとうございました。

産経論説とか。

【主張】衆院解散 国のありよう競い合え 政権担当能力が判断の基準 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/280596/

 なんだかもう遠い昔のような気がするのですが(事実上の解散発表は先週だったし)、4年ぶりの衆議院解散を受けた22日の「主張」です。各紙社説とざっと比較してみたのですが、政策論争を求めているところは同じでも、「国のありよう」、それも安全保障問題を押し出しているあたりで、産経は異彩を放っていますね。
 民主党の今までの対応が日米同盟を損ねたとして、インド洋給油が一時中断したことを挙げているのですが、あれは対米追従ではなく多国籍軍への支援だ、と言い張っていませんでしたっけ。名目は名目として本音はどういうつもりで推進してきたのか、産経の意図がぽろっと漏れてしまったようです。他に持ち出しているのが、普天間基地移設とか、言ってしまえば些少な問題ばかりではないでしょうか。
 「国のありよう」を正面から党なら、最大の争点は「国民全般の生活を守るのか、既得権益を守るのか」、あるいは「国民の判断で政権交代ができる民主的な国家にするのか、既得権益を(ry」というあたりでしょう。その意味で言えば、憲法九条すら実は些少な問題にすぎません。「国のありよう」を選択していけば、自然に答えが出るはずの問題だからです。その意味において、安全保障問題だけが「国のありよう」だとする産経「主張」は、本末転倒の見本だとしか言いようがありません。

産経抄】7月22日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090722/elc0907220252002-n1.htm

 前回の追い風が味わわせてくれた勝利の美酒がまだ忘れられないようで、「いつまでも未練がましい、意地汚い、見苦しい」という感想しか出てきません。同じように風頼みの民主党に対して「今回はよくても……」と嫌味のひとつでも言えば、まだしもコラムとしてまとまったと思うのですが、この期に及んでまだ自民党に風を吹き戻させようとしているのは、本当に見苦しいものです。

政権交代確実だからこそ 政治部長乾正人 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090722/stt0907220254000-n1.htm
週刊朝日には「珍説」と褒められたが、13日付朝刊で指摘したように、靖国神社に参拝できない首相に古くからの自民党支持者も愛想を尽かしている。

 引用部に関してはノーコメントで。記事冒頭でいきなり、政治を勝負事にたとえているのですが、「政治はギャンブルではない」という自民党パンフレットの立場がありませんね。

*1:テレビアニメ版『絶チル』は録画しただけであまり見ていなかったのです。後期OPにはキャラ紹介カットはありましたが、もうちょっと尺を取ってそれぞれの能力を強調する形で。ザ・ハウンドは絵になると思うんだけどな。