黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、国家像を示す。他。

 また日付がずれてしまいましたが、14日分です。

【主張】8月30日総選挙 自民は解党的出直しを 首相は逆風をはね返せるか - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/277651/

 都議選の自民党惨敗に引き続き(「〜を受けて」ではないんですね。不思議ですが)、解散総選挙のスケジュールが示されたことで、昨日と同じように「自民党麻生首相は国家像を示せ」と繰り返しています。産経の(少なくとも乾正人政治部長の)求める国家像の具体案が、自民支持回復の切り札が靖国参拝だったというのはしばらく語り草になるでしょうが、今日の「主張」はほんの少しまともな具体例を挙げています。それは憲法改正だそうで、大差ないっちゃ大差ないんですが、まあほんとに、ほんのわずかですがマシでしょう。実際に(実現可能な、ではありません)改憲案を出す政党も他に現れたことですし。
 しかし過去の例を見ても、改憲が票になったことはないと思います。護憲が票になることは共産党社民党が一定の得票を続けていることでもわかりますが、改憲を理由に投じられる票はどれほどあるのでしょうか。2007参院選維新政党・新風や今回都議選(および今回衆院選)の幸福実現党の得票は積極的な改憲支持だと考えていいと思いますが、だとすると社民党の得票とさえ比較になりません。それ以外の多数の改憲支持票があるとしても、それはすでに自民党と一部が民主党に流れ込んでいるはずで、民主党から奪える票はおよそ誤差の範囲だろうとしか思えません。ていうか実際、積極的に改憲に向けた施策を行っていた安倍内閣のもと、2007参院選で、改憲はまったく自民党の票になっていませんよね? ここ十数年の世論調査では50〜60%ぐらいが*1改憲に賛成」と回答しますが、それが投票行動に結びついていないのは明らかです。
 安倍内閣といえばこの「主張」は、安倍晋三元首相(と福田康夫前首相)が、大きなミスはなかったが責任感や資質に欠けていた、と、いちおう一歩引いた評価をしているのですが、そのあとに麻生首相がいかに不適格であるかを並べ立てていて、これではまるで安倍元首相がまともな人だったみたいです。少なくとも、閣僚人事をまともに処理できなかったのは、内閣総理大臣として大きなミスだと思うのですが。産経は、太郎ちゃんは切り捨ててもまだ安倍ちゃんが可愛いんですかね。
 見出しにある「解党的出直し」というのは、結党の精神に戻って改憲を再び目指せ、という意味らしいのですが、まずそこから見直せ、とは思わないんでしょうか。

野田担当相に有害サイト規制を要請 - 政治ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090714-518430.html

 共同通信配信記事なのに、なぜか47newsにはなく、日刊スポーツのみが掲載しています。解散決定で児ポ法改正はスケジュール的にほぼ不可能になり(総選挙後に提出される可能性もあるので、まだなにも終わったわけではありませんが)、いずれにしても児ポ法で二次元表現を規制することはまともな法解釈では不可能なことをようやく理解できたのか、今度は新法での規制を狙いはじめているようです。要望書を受けたのは野田聖子・科学技術担当大臣、提出したのは山谷えり子自由民主党女性局長です。これから1ヶ月半で野田大臣になにができるはずもありませんが、「担当大臣が要望書を受け取った」という事実は書類として残されるので、新政権も原則として引き継ぎの方向で検討する必要が生じてしまいます。この比喩が適切かどうかわかりませんが、政権交代直前に発表された河野談話が、非自民政権にも内閣の方針として受け継がれたようなものです。

*1:面倒なので確認していませんが、だいたいこんな数字だったと思います。