黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経児ポキャンペーン、突き進む。

日本アニメのファン集結 米最大規模の祭典開幕 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/273483/

 今年もANIME EXPOの暑い夏がやってまいりました! イェイ!! 日本アニメすげえ! 世界を征服済みだぁ!!! 
 ま、そんなアニメやマンガを日本国の与党は、“準児童ポルノ”として単純所持すら許さない方向で法改正しようとしているんですね。たとえば日本でも海外でも人気の高い『新世紀ヱヴァンゲリオン 新劇場版:序』*1には、シンジくんが風呂場から「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」で飛び出してきたり、綾波との「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態*2のシーンとかあったわけで*3。日本からのANIME EXPO参加者にはこの問題に関心のある人も多いと思うのですが、海外ファンに「日本アニメ壊滅の危機」を伝えてほしいです。外圧には外圧。

児童ポルノ流通防止へ法整備急務 ネットの普及で事態は悪化 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/children/273695/

 そんな自民党公明党となかよしこよしの産経新聞には、今日も単純所持規制の与党案を推進する記事が載っています。つい1週間前までは慎重派・中立派と見られてきたのに、あっという間に毎日・読売並みに規制推進記事が載ってるって、いったいどういうことでしょうね。悪意に取れば、いままで中立のフリをして保険をかけてきたけれど、先週の法務委員会審議で与党があまりに追いつめられたから、あわてて援護射撃に踏み切ったというようにしか見えません。頼まれもしないのに、か、頼まれてなのかはわかりませんが。ていうかどう見ても不自然だろ。
 この記事に登場するのは、後藤啓二弁護士(警察庁OB)はじめ規制側の人物・団体ばかりです。反対派の意見、国会審議での野党側の主張などにはなにひとつ触れられていないし、与党案で単純所持が処罰対象となる“児童ポルノ”の中に、『Santa Fe』のような単なるヌード写真集やジャニーズJrの舞台映像などが含まれる(と与党側で警察庁OBの葉梨康弘代議士が明言した)ことも、おそらく意図的に説明されていません。単純所持規制に反対する最大の理由、「警察権力が暴走し一般市民や敵対勢力を弾圧するおそれがある」という指摘にも、もちろん触れられていません。なお、この指摘に対する与党側の反論は「警察を信頼してください」で、こんなばかばかしい「反論」が国会で通用するものだとは今まで知りませんでした。
 キャンペーンをやると決めたら、理屈と膏薬はどこへでも付くとばかりに常識的な論理も忘れて脇目もふらずに突き進むのが産経新聞で、それは対馬キャンペーンなどを見てもわかるのですが、もし初期から産経が規制側でキャンペーンを張っていたらいまごろどんなトンデモ理屈を持ち出していたか、いっそその方が面白かったかもなあ、とぼんやり考えています。

*1:すみません実は今日初めて観ました。やっぱいいなあ。

*2:引用はいずれも現行児ポ法の第二条第三項より。与党案はこの部分がそのままです。「性器等」とは「性器、肛門又は乳首をいう」で、綾波の胸も「性器等」です。引用した条文にはいずれもこのあと「〜であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」と続くのですが、これは曖昧な解釈を招きます。

*3:ちなみに、実況はこの二つの場面がいちばん盛り上がって、予想されたヤシマ作戦クライマックスはさほどではありませんでしたw