黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」のコピペ論理。他。

サラリと描いて1万回 作者、西村宗さん語る - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/media/263382/

 産経ウォッチということで、しかたなく取り上げます。産経新聞社会面の四コママンガ『サラリ君』が、9日付で連載1万回を迎えるそうです。そんだけ。きりのいいところで終わりにして、『ひなちゃんの日常』に場を譲ろうとかは考えないのでしょうか。いや、『ひなちゃん〜』が産経にはもったいない存在なので、それはだめか。
 もっとも、西村氏は産経が主催する自衛官表彰の審査委員に名を連ねたりで*1、本人の方が面白い人なのかもしれません。

野口裕之の安全保障読本】日本を蝕む「偽善力」格差 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/worldnews/263333/

 連日大活躍の野口編集委員です。本紙掲載のこちらのコラムをざっと要約すると、「諸国が偽善をなしつつ武器を輸出しているのだから、日本もじゃんじゃん武器を輸出しろ、景気対策には戦争が一番だ」だそうです。1950年、occupied Japanにおける朝鮮戦争特需という事実はたしかにありましたが、その5年前まで全生産力を軍需に傾けていた日本はさぞかし豊かだったのでしょうね。

【正論】慶応大学教授・竹中平蔵 実現したい政策見えぬ民主党 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/263352/

 説明するまでもないと思いますが、「小泉・竹中改革」の主犯 主導者、今の日本の惨状を作った張本人が、満を持して「正論」欄に登場です。
 民主党はここがだめだ、政権の姿が見えてこない、とさまざまに問題点を指摘してこき下ろし、だから「政権交代ありき」の姿勢は考え直せ、自民政権でも同じことだ、と言外に唱える内容です。2ちゃんねるのコピペでよく見かける論理ですね。「自民もたしかに悪いがミンスはもっと悪い、消去法で残るのは自民」ってやつです。結論ありきではなく普通に消去法を使ったら、真っ先に消えるのが自民なんですが。蛇足として、竹中氏は小泉内閣で閣僚を歴任したほか、自民党参議院議員も務めていました。
 
 もうちょっとまともに竹中「正論」を批判しておきます。民主党の経済政策にはマクロ経済の視点がない、自民の政策にはそれがある。野党には官僚が協力してくれないからだというなら、与党になっても官僚依存が続くではないか、という理屈を持ち出しているのですが、まず、これって巨大なブーメランですよね。また、(民主党案に限らず)公務員改革が目指すのは、官僚に自分の意志を発揮させず、機械的にデータを提供し、それに基づいた政治による指示を機械的に実行する、という形です。ていうか、それが本来の官僚の役割なのです。竹中氏がやるやると言っておきながら結局なにも改革できなかったからといって、八つ当たりはよくありません。「俺はこのように失敗した、気をつけないと二の舞になるぞ」という話なら、耳を傾ける価値もあるでしょうが。
 また、郵政民営化について方針がぶれているとも指摘していますが、民営化反対(もしくは拙速を廃した段階的な民営化)では一貫していませんか。「民主党には政権交代に備えたチームがない」という指摘にいたっては意味不明で、ネクスト内閣というのはなんのためにあるんでしたっけ。それが十分に機能していないという批判だったら大いにあり得ると思いますが(ていうか正直不安です)、これはちょっとないでしょう。
 
 と書いたところでこんな記事を見つけてしまったのですが、首相も産経「正論」の愛読者なんですかね。朝読んだものを昼に喋って、得意にならないでほしいものです。

麻生首相が民主批判「政権交代は目的でなく手段、何がしたいのか」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/263618/