黙然日記(廃墟)

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産経編集委員、舐める。

【軍事情勢】ポーランドの「必死度」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/263072/

 あいかわらずの、と言いたいところですが、気がつくと政治部専門委員から政治部編集委員に昇進していた野口裕之記者です。あれ、いつからだろうと思って確認したら、4月掲載分からずっとこの肩書きになっていました。もちろん昇進したからといって中身が変わるわけはなく、書いたものを読んでみればやはり「あいかわらずの」としか言いようがありません。昇進させる会社も会社です。
 今回はポーランドの歴史をひもといて対ロシア(ソ連)に関する日本の姿勢の甘さを指摘しているのですが、実際にロシアに占領されて亡国の憂き目にあった国と、たかが、と言ってはなんですが島のいくつかを不法占拠されただけの国で、同じ「必死度」を持てというのも無茶な話です。ロシアよりも、全国土を7年間実質支配しさらにその後20年間にわたって県の一つを占領し続けた相手に対して、必死に警戒するどころか靴の裏を舐めるのに必死になる政府与党の存在を嘆くべきではないでしょうか。一緒になって踵あたりを舐めている産経新聞編集委員に、そんな期待をするだけ無駄ですか。
 日露戦争当時から第一次世界大戦前後(つまりロシア革命前夜)にかけて、明石元二郎大佐がポーランド独立運動勢力に協力したことも書かれていますが、明石大佐といえばロシア共産革命にもっとも貢献した日本人として有名な人ですね。「ロシア帝国を倒す」という目的は果たしたわけですから、工作員としては優秀な人だったのかもしれませんが*1、結局ソビエト連邦に長年の支配を受けてきた、その記憶も鮮やかな今のポーランド人からは、どう見える人物でしょうね。
 野口記者の文章でいつも気になるのが、「帝国」を「帝國」と表記している点です。「大日本帝國」「帝國陸軍」あたりだけなら、ああただのバカウヨなのか、と思うだけですが、今回は「ロシア帝國」という表記も出てきて、ずっとこれで押し通しています。せっかく登録・学習させた単語を使いたいのはわかりますが、他の「国」が含まれる単語はそのまま新字体で表記しているのですから、これはもう誤変換を垂れ流していると呼んでいいレベルじゃないでしょうか。

*1:轟轟戦隊ボウケンジャー』で、ボウケンレッドの名前を明石大佐から取ったことについて、「それなんか違うだろww」というツッコミが各所から起きていましたね。少なくとも冒険家じゃないよな。