黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」の名存実亡。他。

 21日分です。

【正論】初代内閣安全保障室長・佐々淳行 自分の国は自分で守る覚悟を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/245118/

 あいかわらず20年近く前の肩書で食っている佐々氏です。1957年に閣議決定された「国防の基本方針」を廃棄しろ、みんな存在も忘れているのに政府の方針を縛り付けている、名存実亡(名前だけ存在して実態がない)ならぬ名亡実存だ、と憤っているのですが、名存実亡とは佐々氏の肩書のためにあるような言葉ですね。
 テポドン発射に関連して敵基地先制攻撃論が浮上していることに言及しているのですが、それが良いとも悪いとも言わずに、ミサイル防衛(MD)システムにGDP 1.5%ぐらいつぎ込め、なんてことを述べています。これはちょっと解釈が微妙なのですが、佐々氏としては先制論に否定的なんだけど、お仲間が唱えているから明確に反対できない、という感じでしょうかね。日本にとって脅威になるのは、(ミサイルとしての)テポドンではなく、すでに大量に備蓄されているノドンであることの認識などは、正しいのだろうと思います。ちょうど昨日発売の「AERA*1田岡俊次氏が類似の指摘をしていていたので、面白く感じました。名目を作って堂々と予告してから発射したテポドンと違い、小型のノドンはトンネルに隠しておいて設置してからすぐに発射できるので、先制攻撃なんか不可能だ、という主旨のコラムです。MDも日本を狙うノドンを想定して配備されているものなので、あのバカ騒ぎはなんだったんでしょうねえ。
 そうした現状認識はいちおうあるのですが、他の部分ではとにかくもう、国連中心主義への(そしてそれを唱える小沢一郎氏への)憎悪としか思えない批判をしつつ、なぜか日米安保もあてにならないことを強調して、自主武装強化を唱えているわけです。さすがに核武装までは言及していませんが。
 以下はまったく余談です。ときどき古本屋で1冊100円の新書を10冊20冊と買い込んでは、ゆっくり読むようにしています*2。最近はゆっくり読む余裕がなくてほとんどは山積みのまま、そこから適当に掴み出してトイレで読む分だけしか消化できていないのですが、ちょうど今日読み始めたのが『日本の警察 「安全神話」は終わったか』ISBN:4569608191でした。そういう買い方でそういう読み方なので、書名以外は見もせずに読み始めるわけですが、著者が佐々氏であることに気づいて思わずトイレの中で(略)。たぶん産経ウォッチを始める前に買った本だと思いますが、偶然というのは怖ろしいものです。たしか中立的な内容の本を期待して買ったような記憶があるのですが、まあこれはこれでなにかの参考になるでしょう。

[net]新風、声明を出す。

 維新政党・新風が、素晴らしい声明を出しています。感銘いたしました。

<維新政党・新風>声明: 民族差別を許さない
http://sokuho.sblo.jp/article/28433079.html
一部において、わが党が民族差別を助長する言説を弄してゐるがごとき悪宣伝がなされてゐるが、わが党は道義国家と平等社会の実現をめざして結党されたのであり、民族差別などはもつとも憎むべき卑劣な行ひであると断ずるものである。

維新政党・新風は強い日本をめざしてゐる。強く正しい国民国家こそが、他国や他民族を思ひやり、相互互恵の国際社会をもたらすと信じるからであり、故に卑小なる民族差別主義者とは一線を画すことを改めて宣言するものである。

平成21年4月13日

 ついでに、さる事情でせっかく調べたのでメモ的に残しておきます。ネットwatch板@2chにある新風連ヲチスレのまとめサイト。上の声明と併せて読むと味わい深いと思います。

新風連ヲチスレテンプレ置き場
http://evilla.site90.net/chimpu/

*1:'09.4.27号76〜77ページ

*2:100円コーナーにあるのが駄本ばかりとは限らないのでそれなりに知識は得られるのですが、体系的に読むことができないので、こうして雑学ばかりの人間になってしまうわけです。