黙然日記(廃墟)

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産経記者、比喩を理解する。

 これは18日分。

【土・日曜日に書く】論説委員・福島敏雄 「壁と卵」は何の比喩か (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090418/bks0904180409000-n1.htm

 村上春樹氏のエルサレム賞受賞講演がどういう意味なのか、ネット上でも激しい議論が巻き起こりましたが、福島論説委員はきちんと理解できているのだそうです。「文藝春秋」に掲載された村上氏のインタビューを読んでから、各紙の第一報を批判するのは後出しジャンケンというんじゃないかと思いますが、その第一報で共同通信記事をそのまま流した(そうするしかなかった)産経新聞記事も含めて批判しているのは、まあ「公正」でしょうかね。
 福島委員の解釈によると、「卵」が個人なのはいいとして、「壁」はイスラエルという国家ではなく「システム」全般なのであり、短絡的にイスラエル批判と報じた各紙の報道は間違っている、のだだそうです。文春インタビューで強調文字を使って表現されていたことを後出しするんだから、ご立派な面の皮ですね。また、日本に「反日日本人」がいるようにイスラエルにも国家の戦争に与しない知識人は数多くいるのでしょうから、村上氏の発言に対する会場の反応がよかったことは、少なくともわたしから見て、ちっとも不思議な話ではないんですが、福島委員にはそういう発想はないのでしょうか。