黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経、ふりがなをつける。他。

ご成婚50年にあたり。

【両陛下ご結婚50年】会見 (1) 両陛下「厳しい経済情勢」に気遣い - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/241375/

 天皇皇后両陛下のご結婚50周年を、心よりお祝い申し上げます。*1
 しかしこんな日でも、産経は産経です。

【主張】ご結婚50年 皇室の弥栄を考える機に - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/241411/
伝統を守りつつ、弥栄(いやさか)をはかるには旧皇族の復帰など皇室の拡充を真剣に考えるべきだ。

 「皇室の拡充」には、女系皇族を増やすという選択肢もあるわけですが。
 この「主張」は、両陛下の熱心な被災地お見舞いと、宮中祭祀を並べて、「どれほど国民を勇気づけ、日本人としての誇りを持たせたか計り知れない」とまとめて評していますが、そうなのかなあ。あまり実感がありません。主に「親しみ」という点で、皇室と国民の関わりにおいて最大のターニングポイントとなったのは、昭和天皇の戦後巡幸だった、とわたしは考えています。戦後巡幸が当時の国民に勇気と誇りを取り戻させた、という話はいくつもあるのですが、現人神が人間の姿を見せた巡幸と、すでに親しまれている両陛下の被災地慰問は、かなり意味が異なりませんか。

【正論】立命館大学教授、大阪大学名誉教授 加地伸行
■権威は皇室に連綿として在る
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/241409/

 ご結婚50周年のこの日の「正論」欄には、昨年の「正論」大賞を受賞した加地氏が満を持して登場し、皇室の権威について述べています。なるほど、(形だけとはいえ)皇室を崇敬せよと主張する産経「正論」欄らしい内容です。
 ――ところが。実はこの加地「正論」をよく読むと、「権威と権力の分離こそが天皇制の優れたところ」という内容なのです。今日の記者会見で今上が述べられた「大日本帝国憲法下の天皇のあり方と、日本国憲法下の天皇のあり方を比べれば、日本国憲法下の天皇のあり方の方が、天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇のあり方に沿うものと思います」というお言葉と一致する考え方ですね。

また産経か。

殺害経緯、動機…“空白”をどう埋める? 舞鶴高1女子殺害事件 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/240507/魚拓

 冤罪の可能性や警察によるメディア操作の観点からも注目されるこの事件ですが*2、メディア自身の信頼性がもちろん問われています。8日付のこの記事について、興味深い話が出ています。

■法、刑事裁判、言語を考える: ■舞鶴女子高生殺害事件ー各紙コメントから by Gishu
http://blogs.dion.ne.jp/justice_justice/archives/8263476.html

 渡辺修・甲南大学法科大学院教授のブログエントリです。この後半、「産経新聞の報道について」の節によると、産経記事に書かれている渡辺教授のコメントは、「誤った掲載」であり「なんらかの配信ミスではないか」とのことです(優しい人ですね)。そもそも渡辺教授は産経新聞から取材を受けていないというのですから、「ああ、また産経か」と嘆くしかありません。

*1:いや、自分と少しでも関わる人が今日金婚式って聞いたら、まずお祝いを言うでしょ? 人として。

*2: d:id:pr3:20090227:1235746707 参照