黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経使い回す、他。

ネット社会でも「暴力」は許されない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/222153

 またネットの匿名を批判する記事か、と思って世は始めたら、ものすごい既視感に襲われました。8日付エントリと重複になりますが、ここに並べておきます。

「ブログ炎上」ネット上の悪弊に警鐘 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/219497

 以前の記事は産経新聞、今日の記事はSANKEI EXPRESSに掲載されたもののようです。産経新聞SANKEI EXPRESSは別の新聞だから、といえばそうなのですが、双方の記事を同レベルで扱うiza!としては、どうなんでしょうかね。まあ、こうして比較できるのは面白いのですが。
 韓国の事例を紹介する部分などはそっくり文章が流用されています。ただしいくらかの違いはあって、最大の点はこちらの記事には産経新聞客員編集委員花岡信昭さんのコメントがないということろでしょうかね。

古森義久氏、力説する。

【緯度経度】ワシントン・古森義久 「消去法」のアジア歴訪 (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090214/amr0902140818003-n1.htm

 14日のコラムで、簡単に要約すると「オバマ大統領とクリントン国務長官民主党政権は日本を軽視しているぞ」と言いたいだけみたいです。厳密には、最初の歴訪先に日本国を選んだのは日本重視の証拠、という藁人形に対しての反論というかたちをとっています。大統領が中東担当特使・西南アジア担当特使を指名したから国務長官はすることがなくて東アジア歴訪するのだろう、とか、けっこうひどいですね(笑)。
 このコラムにコメントを寄せているラリー・ニクシュ氏の名前でぐぐると、筆頭にhagakurekakugoさんのエントリが出てきます。

CRS報告書の作成者 ラリー・ニクシュ博士インタビュー - 解決不能
http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20070424/p1

 日本の従軍慰安婦問題について、軍の関与を明確にした議会内資料であるCRS報告書(2007年、下院決議の3ヶ月前)の作成者です。当時、古森氏がこの報告書を紹介する記事では、いろいろと愉快なテクニックを弄して「なかった」という結論であるかのように報じていましたね*1
 じゃあ古森氏の天敵なのか、と思うと、こうして取材に答えたり(古森氏が取材対象に選んだり)、拉致議連・家族会・巣食う会の訪米団とも面会していたり*2、けっして“反日的”な人物ではないようです。これはつまり、客観的に論評できる人から見ても、従軍慰安婦問題では軍の関与を認めざるを得なかった、ということでしょうかね。
 
 いささか話がそれましたが、この記事の結びでは、「日本重視」の幻を追うよりも日米関係を改めて見直せ、といったことを主張しています。米国特に共和党べったりで知られた古森氏が民主党政権誕生でどうするのかに(一部で)注目が集まっていたわけですが、予想どおり距離を置くようです。場合によっては反米(反オバマ政権)的なことも言い出しそうで、なかなか楽しみなところです。
 さてそんなわけで、古森氏はクリントン長官訪日がオバマ政権の日本重視だなどという安易な考え方を粉砕すべく力説しているわけですが、その翌日、今日15日付の産経新聞「主張」を見てみましょう。

【主張】ヒラリー来日 対北朝鮮で日米韓結束を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090215/amr0902150253000-n1.htm
就任後初の外国訪問先を日本にすることで「日米同盟重視」をアピールする狙いだ。

*1: d:id:pr3:20070412:1176384417 。このエントリの補足として、もとのSankeiWeb記事はもちろん消えているのですが、古森blog http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/151350/ に自ら転載されています。

*2: 拉致議連幹部とラリー・ニクシュの会談 - 島田洋一blog http://island.iza.ne.jp/blog/day/20080306/