黙然日記(廃墟)

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産経、某国に期待する、他。

【主張】政府紙幣 悪循環からの脱出に期待 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/220080/

 金融危機に伴うデフレスパイラルからの脱出には、政府紙幣をばらまくことが有効なのだそうです。そりゃ、猛烈なインフレーション(貨幣価値の下落)が起きますから、対義語であるデフレは脱却できるでしょうが、そのあとどうするつもりなんでしょうかね。この政府紙幣とセットになっている相続税減免付き無利子国債も乱暴な案で、これが産経の主張するように金持ち優遇ではないのだとしたら、国民の資産を目減りさせ政府に移転させるための政策以外の何物でもありません。
 「円天まがい」との批判があることにはこの「主張」でも触れていますが、大量にばらまくというあたりでわたしは、『カリ城』冒頭でルパンたちがゴート札をばらまくシーンを思い出してしまいました。あの映画のモチーフになっている国家レベルの偽札作りは、(今から見ると)北朝鮮の偽ドル札作りを連想しますが*1、それと同レベルまで堕落しなくてもいいでしょうに。麻生さんが口髭を生やしたら、なんとなく伯爵に似るような気がします。
 かつて日本国がインフレターゲット政策で大成功した例があります。それは池田勇人内閣の所得倍増政策で、物価も倍増しましたが所得はそれ以上に増えたため、「みんなが貧しかった時代から、高度成長でみんなが豊かになっていった」という話は、(今となっては)伝説のように何度も語られています。もちろん高度成長の再現は不可能ですが、参考にすることはできるでしょう。インフレになれば所得も増える、という理屈が間違っていることはもうみんなわかっていますから、まず所得を増やしてインフレに導く方策を考えるべき時期ではないでしょうか。もうひとつ、税収を断念してでも景気対策をしたいなら、消費税の切り下げまたは撤廃がもっとも有効だろうと思います。政治家やマスコミにそれを考えた人は誰もいないんでしょうか。

【土・日曜日に書く】阿比留瑠比 アンバランスな議員外交 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/220081

 せっかく久々にあびるんが「土・日曜日に書く」に登場してくれたのですが、電波出力が通常レベルで、あまり面白くありません。といってもこれは電波ジャンキーにとってなので、一般の方は十分に注意してお読みください。
 いろいろな(中国と親中派を非難する)発言が引用されているのですが、発言者を順に並べてみると「政府関係者」「外務省筋」「政府筋」「安倍晋三元首相」「政府関係者」「(外務省内の)幹部」「日中外交筋」「外務省幹部」という具合で、現外務省担当・元腰巾着の面目躍如ですね。順列組み合わせでよくこれだけの呼称を作り出せるものです。

産経の先見性。

 6日のエントリでネタにした【集う】について、コメント欄でdj19さんから追加情報をいただきました。登場している田村重信氏(自民党政務調査会首席専門員・慶応大大学院講師)は、まさにこの記事が出た今月5日に、岡田克也民主党副代表に対する名誉毀損裁判で高裁敗訴していたそうです。

岡田民主副代表が逆転勝訴=名誉棄損、自民職員に賠償命令−東京高裁 - 時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009020500661

 この記事に出てくる人の名前を記録しておけばいずれネタになるだろうなあ、と考えていちいち名前と肩書を引用していたわけですが、まさか当日とは予想外でした(笑)。

*1:宮さんが批判したかったもともとの対象は、日中戦争における軍票の濫発なのかもしれない、と今思いました。