さらば「産経抄」、他。

産経抄“毒”をきかせた３５年　石井英夫さん、退社の辞 (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090122/acd0901220741003-n1.htm

　長年にわたって「産経抄」を書き続けた名物コラムニストの石井英夫氏は、2004年12月に産経抄執筆から引退されたあとも署名コラムがときおり掲載されていましたが、2008年12月いっぱいをもって産業経済新聞社を退職されたそうです。長い間、おつかれさまでした。そして退社にあたっての記念講演の内容が、いまごろ掲載されました。
　「今日までの分を一旦忘れないと前へ進めないんです」とか「耳かき一杯ぐらいの毒を盛る」とか「（イラク戦争で〜）戦争に大義は無用である」とか、あるいは、中近東という言い方は西洋中心史観だという梅棹忠夫氏の指摘から、いきなり東京裁判は間違っているという話に飛んだり（南京裁判やニュルンベルグ裁判も西洋中心史観の影響なのでしょうか）、産経抄ファンにはたまらない発言の連発です。ぜひご一読を。もちろん、てにをはも怪しげなコラム以前の駄文を垂れ流し、受け継いだのは「今日までの分を忘れる」（「一旦」を都合良く抜かして）だけしかない今の「産経抄」担当者一同も、しっかり読んで心に刻んでおいていただきたいものです。

民主・石井氏らに批判殺到　首相への「漢字テスト」 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/214683

　20日のエントリ*1でネタにした記事の続報です。未だに誤字が直っていないのはともかく、産経的にはこの石井質問の“失態”がよほど楽しかったようです。
　なお、石井質問について、その意味合いを上記エントリのコメント欄でいろいろと補足していただきました。この場を借りて感謝いたします。この記事でも、質問の趣旨として先日の記事にはなかった「誰かが書いたと思わざるを得ない」という部分を追加していますが、最初からそう報道していたら「何の目的があるのか」なんて批判は出てこなかったでしょう。ネットの批判と称してiza!と２ちゃんねるだけをソースにした記事を後から出すぐらいなら、最初からちゃんと報道してほしいものです。*2

【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦　麻生総理のブレない「見識」 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/214773/

　なんか他に肩書はないのかと思わざるをえない岡崎氏の登場です（20年前から「初代室長」のままの佐々淳行氏よりはましですが）。いまだに麻生首相を持ち上げているあたり、年を取ると時間の経過がゆっくりになるんだなあ、と思わざるを得ません。
　首相を支持している理由として岡崎氏は、麻生氏が集団的自衛権の憲法解釈見直しと消費税率引き上げを遂行してようとしている点を挙げています。消費税について、中谷巌氏*3の“分析”を持ち出し、消費税率が低いから日本は格差が拡大しているのだ、という珍妙な説を展開しています。高負担高福祉であるべき、ということらしいのですが、福祉切り捨てをしてきたのが近年の自公連立政権であり、麻生内閣がその抜本的な見直しに手をつけているわけではないのに、まったく理解に苦しむ話です。基礎年金の国庫負担増額分は3兆円程度で、ちょっとハコモノ行政を見直せば捻出できる額なのに、そういう話はまったく出ていませんし。

*1: d:id:pr3:20090120:1232462697

*2:ということを、産経記事に釣られたわたしが言うのもあれですが。重ねて申し訳ない。

*3:中谷氏も、調べてみると言うことがころころ変わったり、怪しげな人物みたいですが。