産経「主張」、回顧する。
昨日は日付が変わってから書き込んでいたのに気づいていませんでした。これは30日分。
【主張】回顧２００８ 「変」の先に灯りともせ 安全網の再構築が問われる - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/208820/
いよいよ年の瀬も押し詰まりコミケも終わりましたが*1、産経新聞も一丁前に今年の総まとめをしています。見出しにある、再構築すべき「安全網」とは、具体的にどのようなものでしょうか。やはり2008年の後半、現時点で最大のテーマは、雇用問題を中心にした安全網＝セーフティーネット、まさに転落防止用の網でしょう。「主張」も今年の漢字の話題から、さっそく経済環境の激変について説き起こしています。
……違いました。いや、雇用保険や年金に関しても「安全網」の不備を言ってはいるのですが、それに続けて、「食の安全網」とか、兇悪犯罪に関する「国民の安心、安全を守る安全網」とか、聞いたこともない用例が続きます。「安全の安全網」ってなんなんだよ。どうもこの文章は「安全網」という言葉を、「なにか起きたときにカバーするための仕組み」ではなく、単に「安全」の同義語としてしか使っていないようです。「網」はどっから出てきたんだよ「網」は。普通に使われる意味での安全網、つまり失業保険や生活保護といった、最低限の社会保障という意味から、目をそらせたいのでしょうか。
全体の主張としては、総論であるためもあって、さほどおかしなことは言っていないのですが、国際情勢が緊張し自衛隊の海外派遣が今後さらに求められることを強調したいあまりに、あれだけ強く求めていたテロ特措法によるインド洋海上補給の延長を、まるで残念なことであるかのように書いているのが、なかなかの奇観を呈しています。
