黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」がわかりやすい。

朝日新聞が初の赤字転落 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/media/197926

 わりと淡々とした記事で、これだけから「産経が大喜び」と言ってしまうのは、さすがに先入観による決めつけだろうと思います。もっとも、記事をよく読むと、朝日新聞社が2000年度から発表している中間決算で初の赤字、ということだそうで、この見出しはちょっとどうですかねえ。あるいは逆に言うと、朝日はいままでずっと赤字じゃなかったわけで、慢性赤字体質の「産経がうらやましがっている」と言ってしまうのは、たぶん間違っていないだろうと思います。まあ、今は新聞社はどこも苦しいわけで、どちらにとっても他人事ではないのでしょうが。
 この記事にぶら下がっているiza!ブロガーの皆さんは、狂喜乱舞しております。その姿は見ていて微笑ましいですね。

ソマリア海賊、取り締まり難航させる謎と現状 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/197889

 ソマリア沖海賊事件についての、わりと詳しい記事です。考えてみると、いままでの産経は「海賊がいるぞ、たいへんだなんとかしろ、そのためには(以下略)」というだけの話しかしておらず、まともに事件として報道してこなかったんですね。もっともこの記事でも、海賊とアルカイダにつながりはなさそうだ、という事実を紹介しておきながら、海賊を追いつめるとアルカイダに接近してしまうかもしれない、という、いらん懸念を持ち出してきています。

【主張】麻生首相 指導者の自覚ある発言を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/197929/

 事前の予想に反して、産経新聞は麻生政権に批判的なスタンスを強めています。もちろん、批判されて当然な面があまりに多いためもあるでしょうが、麻生首相の言動が、(産経に)期待されたほど新自由主義的あるいは右翼的ではなく、やはり宏池会の流れを汲む伝統保守に近いためでしょうか。
 今日の産経「主張」は、総論として麻生政権への批判を並べています。民主党に嫌味を言うのは忘れませんが、自民党に一致団結を呼びかけ、政権交代を危機として訴えているあたり、とても中立的立場とは思えません(最初から産経にそんな期待はしていませんが)。じっくり読み込んでいくと、自民政権への絶対的支持とか、そのために麻生政権は切り捨てる判断をしたんだなとか、つまり安倍路線の復活をまだ願っているんだなとか、いろいろと産経の立場が伺える、非常に味わい深い「主張」でした。


 ところで、あんまりというか全然関係ない話で、「麻生政権への初期の期待」という関連だけで思い出したのですが、「ローゼン閣下ならエロマンガ規制に反対してくれる」と宣伝していた人たちは、いまごろどこでなにをやっているんでしょうね? 皮肉じゃなくて本気で不思議です。