黙然日記(廃墟)

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児童ポルノ法・11月の動向。

 上のエントリでマンガ規制の話題を出したので、さらに連想で、取り上げなきゃと思っていた最近の動きについて軽くまとめておきます。
 なお、児童買春・児童ポルノ処罰法改正案は森山真弓議員らによりすでに提出されていますが(第百六十九回国会衆法第三二号)、それどころではない状況でまだ実質的な審議は始まっていません。11月11日の衆院法務委員会で吉田泉議員が、この改正案に二次元が含まれないことを政府側に確認したようです。
 ついでなので、この問題に関連して、いくつか重要な記事の紹介をしておきます。規制反対派の保坂議員と、規制推進派の統合氏の発言などが出ています。

児童ポルノ「日本発」の批判、交換ソフトで拡散 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20081117nt03.htm

東京新聞:児童ポルノ画像提供容疑で逮捕 『単純所持』野放し日本:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008111302000222.html

 13日付東京新聞と16日付読売新聞に、規制(単純所持禁止)推進の立場からそれぞれ大きな記事が出ていました。両紙とも、単純所持規制に的を絞っていて“準児童ポルノ”に言及していないのは幸いですが、どちらも日本ユニセフ協会の(東京新聞ECPAT東京も)言い分をそのまま載せているのが気になります。提供目的所持で初の逮捕者が出たことと、25日からのリオデジャネイロ会議を控えて、特集的に扱われるのは不思議ではないのですが、いままで児ポ規制強化といえば毎日新聞の独擅場だったのに、急に他紙もその方向に動き始めたのが、なにやら不気味な印象を受けます。

ニコニコ動画で「児童買春・ポルノ禁止法」を議論した - 保坂展人のどこどこ日記
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/cb71c46b651eae2e79f2b249e2fd3bfd

 規制反対派の先頭に立ってくれている保坂衆院議員が10日にニコ動に生出演されました。11日のブログエントリでは、児ポ法に関する(あるいは保坂氏のジャーナリスト・政治家としての根本的な立場に関する)表明があります。

アングル:児童ポルノ、規制強化を=日本ユニセフ協会副会長・東郷良尚さん - 毎日jp
http://mainichi.jp/select/world/news/20081122ddm007030004000c.html

 規制推進派の主役である日本ユニセフ協会と、ずっとその広報役を務めてきた毎日新聞ですが、22日になって毎日にもインタビュー記事が出ています。日本ユニセフ協会はいまだに(というか考えを改める気もないのでしょうかが)わけのわからない理屈で児ポ法改悪を推進しようとしています。「子どもの性の搾取は絶対に許さない」という、商業的搾取を許さないという意味でなら正しい建前を掲げながら、「アニメやコンピューター画像でも子どもの権利を侵害する」という、想像を絶する理屈を持ち出しています。
 「アニメキャラに本気で恋をしている、彼女には(監督やアニメーターや声優が恣意的に創作したものではない)独立した人格がある」と言う人間に対して、間違いなく気○い扱いするだろう人々が、その架空のキャラクターの権利だけは認めろと言っているわけです。