黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の隠された意図。

【正論】動物行動学研究家・竹内久美子 大麻はタバコと同様に有害 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/197292/

 えーと。なんなんでしょうね、この人は。専門外のことに、書店で一般書を何冊か(あるいはもしかしたら1冊)買っただけでこの「論文」を書いてしまい、どうやらその1冊が「大麻研究会・著/テータハウス・刊」という代物だというのは、まあ正直だといえば正直なのですが、物凄いなもう。主張している内容自体は個人の主観だから特になにも申しませんが。
 田母神「論文」に関しては、その主張内容の問題とか論者の地位にまつわる問題とかが指摘されていたわけですが、“論文”としての根本的な問題があること、数冊の一般書だけ、それも都合のいい部分だけを抜き出して強引な結論を出そうという、とても“論文”とは呼べない体裁の代物だという根本的な問題があったことを、もうみんな忘れているかもしれません(他の問題が大きすぎて)。田母神氏にしろ竹内氏にしろ、ある意味で正直な人なのかもしれませんが。

【主張】国籍法改正 不正排除へもっと議論を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/197287/

 新風連あたりを中心にネトウヨがギャンギャン騒いでいた国籍法改正問題ですが、産経「主張」はたいへん歯切れの悪い内容になっています。最高裁違憲判決が出ている以上、婚姻要件廃止の改正は当たり前すぎるほど当たり前なので、さすがにこの点で抵抗はできなかったのでしょう。戸井田とおる衆院議員・山谷えり子参院議員ら何人かの国会議員が、抵抗していた(いる)こと自体がおかしいわけです。この「主張」も議員の抵抗を褒めていますが、反対なら堂々と本会議場で反対票を投じろよ(笑)。会議場の外でうじうじと採決を見過ごしている態度が立派なのかどうか。
 国籍法の婚姻要件廃止は、現在の法解釈の主流である婚外子差別の禁止が前提になっています。この流れに対して、改正反対派の一部は、「家族の維持派日本の伝統的価値観」といった根拠を持ち出していましたが(特に山谷議員は以前から、選択的夫婦別姓などに対しても盛んにこの価値観を主張しています)、流れを押しとどめられるものではないことを、いいかげんに認識するべきでしょうし、いわゆる封建的な家族制度の肯定が反対派議員の背景にあることを、ネトウヨ諸君はどう考えているのか訊いてみたいものです。
 細かいことですがこの「主張」は、最後の方に「議連」という単語がいきなり出てきて、なんの議員連盟なのか説明がありません。「国籍法改正案を検証する会合に賛同する議員の会」(なんちゅう腑抜けた名称だ)を擁護するようなことを書いていて、後でそれをばっさり削った名残ですかね。