「自由主義史観」への対抗として。
11月11日付朝日新聞朝刊に掲載された、田母神「論文」に対する秦郁彦・保坂正康両氏の批評を、Jodorowskyさんがまとめてくださっています。
2008-11-12 [歴史]検証 田母神前空幕長論文 - ホドロフスキの記録帳
http://d.hatena.ne.jp/Jodorowsky/20081112#1226494138
内容もいちいち興味深いのですが、保坂氏のまとめが印象的でした。
保阪 かつて兵士たちが生還して色々なことを知ったとき、「日本もむちゃをやった」と素朴な感慨を持った。われわれはそこからスタートしている。昔の日本に批判的なことを「自虐史観」というが、「自省史観」が必要なのだ。ナショナリズムを鼓吹した時、それは偏狭な運動になる。歴史を誇るのであれば、事実に謙虚でなければ。
「自慰史観」「自爆史観」と呼ぶべき姿勢に関し、本人たちは「自由主義史観」という、立派な響きの名前を自称しています*1。その点、彼らが「自虐史観」と呼んでいる姿勢には、適切な自称がないことが気になっていました*2。「普通の史観」とか「まともな史観」とかとしか言いようがないのですが、これだと誰でも名乗れてしまいます(実際、自慰史観の人たちも名乗っています)。
保坂氏の言う「自省史観」は、意味も適切だし、「自○史観」と語呂も合わせてあるし、個人的にはたいへん気に入りました。機会があれば使っていこうと思います。