産経対馬と閣議決定、田母神「論文」選考、他。

【政論探求】「田母神論文」秘書のうかつな発言　審査の真実 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/194701

　田母神俊雄氏の「論文」を最優秀作に選出した経緯について、審査委員であった花岡信昭・産経新聞客員編集委員が担当コラムで「事実」を明らかにしています。しかし、「真実」とは限りません。花岡氏が「嘘はついていないが隠していることがある」と考えることもできます。このコラムでも、いままでの弁明で隠していたことがあったと自ら表明しています。またたとえば、2回の選考会の前後で何本の「論文」に絞ったのか、最終審査で4本に絞られたことなどをこのコラムでは説明していません。
　「元谷氏を含めた５人全員が点を入れた田母神論文が最高点となった。」という記述は、嘘ではないのでしょうが、行間を読めば「5人全員の評価が高かったわけではない」、さらに「元谷氏が強力にプッシュしたのではないか」という疑いも生じてきます。中山泰秀議員の秘書の発言を取り消そうとして、かえって墓穴を掘っているのではないでしょうか。まあ、そのへんはいつもの花岡氏らしいのですが。

【正論】政治評論家・屋山太郎　公務員改革に消極的な麻生政権 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/194494/

　安倍政権時代には政権べったりだった屋山氏は、福田政権〜麻生政権になってから明確に政権批判に転じたようで*1、興味が薄れたといえばそうなのですが、やっぱり基本的に面白いことを言う人だなと思います。
　この「正論」でも、慢性的な財政赤字と金融危機への緊急対策を、人体でいえばそれぞれメタボと外傷だと喩えて、外傷の手当をするためにメタボ治療を怠ってはならない、としています。その外傷が放置すれば致命的なものだった場合、そして外傷治療とメタボ治療が矛盾する（とりあえずブドウ糖点滴しなきゃ、みたいな）場合、どちらを優先するべきかは明らかでしょう。なんでこんなすぐツッコまれるような比喩を持ち出すんだろう。

【対馬が危ない】韓国資本による島民名義の不動産購入、政府「把握していない」 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/194581

　新党大地の鈴木宗男議員が産経新聞記事に基づいて出した質問趣意書に対して、答弁書が閣議決定されたそうです。韓国資本による不動産購入を「把握していない」と同時に、「一般に関係法令に従って適正に行われた不動産の購入は特段問題ない」との見解を示しています。政府見解としては当然でしょうし、これも当然ながら、この件については産経新聞しか報じていません。
　鈴木議員といえば同じ国境の島である北方領土交流事業で知られますが、どういうつもりでこの質問を出したのかよくわかりません。こういう見解が出ることを承知の上で、確定的な答弁を引き出すつもりと考えるのが妥当のような気がしますが。
　あまり関係ないですが、同じく鈴木議員の質問趣意書に対する答弁書決定を、産経は実に嬉しそうに報じています。週刊朝日にも上杉隆氏にも、産経は（特に外務省担当記者は）いろいろありますからねえ。

政府答弁書で「週刊朝日」上杉記事を否定 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/194549/

*1:一方、別のソースでたまたま見つけたのですが、福田内閣で設立された国家公務員制度改革推進本部顧問会議 http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/komon/kousei.html には参加しているようです。公務員改革の点で一貫しているとはいえます。