黙然日記(廃墟)

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産経、言葉遊びする。

【正論】神谷不二 「核」と「拉致」の日米ギャップ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/187501/

 北朝鮮は「テロ支援国家」ではなく自ら実行した「テロ国家」なのに、「支援」に分類するのは、最初から米国は腰が引けていた証拠だそうです。神谷氏は、「テロ支援国家」がリストになっていることを、そもそも知らないんじゃないでしょうか。
 ツカミの部分で、『三国志演義』のネタをやろうとしたら先を越されてしまった、と嘆いているあたりが象徴的ですが、神谷氏は単に、なにか言葉遊びで気の利いたことを書きたいだけじゃないでしょうかね。六者協議のテーマが核問題に集中しているとか、いったいこの人はどういう現実認識をしているのでしょうか。都議会で橋本府知事への批判が出ないとか府議会で石原都知事への批判が出ないとか、そういうレベルですね。前半までこんな漢字で、後半も同レベルなので、もういちいちツッコミはしませんが。

“モンスター”年代上がるにつれ出現率高くなる!? - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/187632/

 産経新聞*1まともなアンケートや統計を求めてもしかたないのですが、それにしてもこれはひどい
 「モンスター・ペアレント」に始まって最近はどんどん概念を拡大していく、産経新聞の「モンスター○○」キャンペーンですが、ついにカテゴリ分けもなしで、友人・知人を単なるモンスターよばわりですよ。人としてどうなんだ。
 短い記事ですが、驚くほどツッコミどころがあります。というかツッコミどころしかありません。まず見出しの「年代が上がる」というのは、アンケート回答者の年代であって「モンスター」の年代ではありません。もちろん、交友関係などで見ればあるていど同年代で固まる傾向はあるでしょうが、実例としてあげられているのが「職場に電話してきた従業員の親」とかですからね。そしてそもそも、回答者の年代で比較しているのが三十代と五十代のみです。これだけで「年代が上がると増える」という結論は出せません。他の年代の結果を示すと、何か都合でも悪かったんでしょうか。また、「モンスター」が身近に「いる」という回答は39.5%と46.0%、いずれも半数以下なのですが、記事に添えられたグラフは、「いいえ」を先に「はい」を後に配置し、「いいえ」の方に濃い色を使って、見た目では記事に肯定的な内容(「いる」という回答)が過半数であるかのような印象を与えています。おそらく紙面より読者が多いだろうと思われるWeb版では、そのままでは画像が縮小されているので文字が読めず、グラフの形と色だけで印象を受けることになります。
 自慢じゃないですが統計にまったく弱いわたしが見ても、即座にこれだけおかしなところを指摘できる代物を、堂々と記事にして全世界に発信できる産経新聞の「モンスター」っぷりには恐れ入ります。

*1:このアンケートはリビング新聞Web版で行われたもの。記事掲載は産経新聞